第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会準決勝の第二試合は、明治大学と東海大学の顔合わせとなった。結果は次の通り。
東海大学が追い上げるチャンスもあったが、19点差で明治大学の勝利。明治大学の横綱相撲を思わせる戦いだった。
ラグビーマガジン 2020年 02 月号 [2大別冊付録:(1)トップリーグ2020写真名鑑 (2)全国高校大会花園ガイド]
試合展開
ベストメンバーで迎えた明治大学、東海大学は準々決勝と同じく眞野泰地主将がCTBでスタメンとなった。
前半
試合開始早々に点数が動く。前半4分にSO丸山凛太朗のPGで東海大が3点を先制すると、7分には明治大がバックスをワイドに使って最後はWTB山﨑洋之がトライ。ゴールも決まって、7-3と明治大の4点リードとなる。
東海大はWTB望月裕貴のスピードと高さでハイボールをキャッチしチャンスにつながる場面も見られたが、トライには結びつかず。逆に、明治大がボールを奪うと、31分に相手ゴール前からSH飯沼蓮が飛び込みトライを決める。さらに、39分にSO山沢京平がPGを決めて、明治大が17-3とリードして前半を終える。
後半
後半の最初の得点は明治大。バックスへの展開からトライとゴールも決まる。しかし、後半18分には東海大がこの試合初めてのトライ、そしてゴールも決めた。24-10と2トライ2ゴール差に追い上げ、勝負の行方はまだわからない。
後半20分、明治大LOの片倉康瑛がハイタックルでシンビンに。明治大は14人となる。東海大としては願ってもないチャンスだったが、相手ゴール前でボールがこぼれ後退。さらには、ボールを奪われてチャンスを潰す。このあと1トライを加えた明治大が29-10として決着。
Number(ナンバー)993・994「桜の告白。ラグビー日本代表冒険記2019」 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
勝敗のポイント
明治大勝利のポイントは、 横綱相撲を取りきったことではなかろうか。パワーと正確さ、加えて想定外の場面でもメンタルを維持できる精神力。高レベルでの心技体が揃っていた。
点差が開かないのは、明治大がリスクのある攻撃を避けていたこともあるのだろう。リスクの高いパス回し、チャンスの可能性があっても孤立する可能性のある展開はしない。もし、明治大がリスクのあるアタックを何度かしていたなら、そのうち何度かは東海大のチャンスとなり勢いづく場面がもう少しあったかもしれない。
ラグビートップリーグ カラー名鑑2020【ポケット判】 (B.B.MOOK1476)
明治大は得点する可能性を高めるよりも、得点される可能性を低くすることを優先しての戦いに思える。
しかし、これだけハイレベルの明治大にあと一歩まで迫った東海大は、さすがは関東リーグ戦の覇者と思わせるものだった。後輩たちは、眞野泰地主将を始めとする4年生の戦いぶりを目に焼き付けたことだろう。