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明治大学vs早稲田大学 … 2019-2020大学選手権決勝

大学選手権は、いよいよ決勝を残すのみとなった。

決勝のカードは、明治大学早稲田大学。23年ぶりに決勝で顔を合わせる。会場は新国立競技場。

 1/11(土) 14:30 明治大学vs早稲田大学

前年優勝の明治大は、失点につながる場面をつくらない固い試合展開で勝ちすすんできており、隙は見られない。戦力分析をするならば、各項目で満点に近く、バランスがよくて、かつレベルが高い。早稲田のほうは、およそ1ヶ月前の早明戦で敗れてから選手権決勝での明治との再戦を目指してきたが、その舞台は整った。

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準決勝の結果

1/2(木)に行われた準決勝では、明治大、早稲田ともベストメンバーで臨み、持ち味を発揮した好ゲームを展開した。

明治大学(対1位)29-10東海大学(リ1位)>

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天理大学(西1位)14-52早稲田大学(対2位)>

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最近の大学選手権の成績

<過去10年の直接対決>

大学選手権での過去10年の対戦は2回のみ。昨年は優勝した明治大が4点差で勝っている。同一リーグなので、参考までに関東対抗戦の今シーズンを含めた5年分の対戦成績も見ておこう。

大学選手権
2018 明治大(対4位)31-27早稲田(対2位)
2010 明治大(対3位)10-74早稲田(対1位)

関東対抗戦
2019 明治大(対1位)36-  7早稲田(対2位)
2018 明治大(対4位)27-31早稲田(対2位)
2017 明治大(対2位)29-19早稲田(対4位)
2016 明治大(対3位)22-24早稲田(対2位)
2015 明治大(対2位)32-24早稲田(対4位)

<明治大:過去3年の成績>

昨シーズン、僅差の試合をものにして優勝を遂げた明治大。一昨年は、決勝で1点差で敗れており、その前年は初戦で京産大に僅差で敗れている。この経験が生きたか。

2018 明治大(対4)22-17天理大(西1) 決勝
2018 明治大(対4)31-27早稲田(対2) 準決勝
2018 明治大(対4)18-15東海大(リ1) 準々決勝
2018 明治大(対4)50-19立命館(西2) 3回戦
2017 明治大(対2)20-21帝京大(対1) 決勝
2017 明治大(対2)43-21大東大(リ1) 準決勝
2017 明治大(対2)27-21京産大(西2) 3回戦
2016 明治大(対3)22-26京産大(西3) 3回戦

<早稲田:過去3年の成績>

昨シーズンは、準決勝で明治大に敗れた早稲田。しかし、現4年生の主力数名は1,2年のうちからレギュラーとして戦ってきたメンバーであり、今シーズンは復活に向けて重要なシーズンである。

2018 早稲田(対2)27-31明治大(対4) 準決勝
2018 早稲田(対2)20-19慶応大(対3) 準々決勝
2017 早稲田(対4)18-47東海大(リ2) 3回戦
2016 早稲田(対2)31-47同志社(西2) 準々決勝

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秋リーグの成績比較

明治大は全勝で優勝。早稲田や帝京大にも完勝しており、安定し戦いぶりを見せた。早稲田は帝京大や慶応大との接戦を制したものの、全勝対決となった早明戦で敗れて6勝1敗の2位で終えた。

<対戦成績と敗れた相手>

明治大 関東対抗戦 1位 7勝0敗 なし
早稲田 関東対抗戦 2位 6勝1敗 明治大

<得点/失点/反則の1試合平均数>

明治大 68.6得点 11.0失点 反則6.3
早稲田 55.7得点 13.7失点 反則6.3

<トライ数/ゴール数/PG数/メインキッカー成功率>

明治大 71トライ 61G 1PG 山沢京平85.2%
早稲田 59トライ 46G 1PG 齋藤直人78.4%

<ポジション別トライ数>

明治大 FW36.4% BK63.6%
早稲田 FW32.8% BK67.2%

<準決勝でのスタメンFW平均体重>

明治大 104.5kg
早稲田 101.75kg

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展望

互いにベスメンバーで臨めそうで、23年ぶりの早明の決勝は楽しみである。会場となる新国立競技場には両チームの応援で大変に盛り上がることが予想される。これを力に変えられるか。

明治大はよほどリードを広げられることがない限り、リスクの高いアタックはしないだろう。リスクの低いアタックであっても、LO箸本龍雅など個の能力の高さで打開する可能性は十分にある。結果、後半まで僅差であってもジリジリと差をつける自信は持っていると思われる。準決勝の東海大戦でシンビンで1人少ない中で自陣ゴール前で守りきった経験により、さらに自信と結束を深めたはずだ。

早稲田としては、とにかくリードを奪って明治大にいつも通りの戦いをさせたくない。そのため、早稲田は前半からどんどん仕掛けてくるのではないだろうか。SH齊藤直人とSO岸岡智樹のハーフ団は大学随一と目されるが、彼らが前面に出てくるよりも周囲をうまく使うことで打開できるチャンスは広がる。そういう意味では、準決勝から復帰したCTB中野将伍の存在は大きい。

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明治大が最もトライを奪われたのは、5トライを献上した対抗戦の筑波大戦。最も僅差となったのが選手権準々決勝の関学大戦であった。ともに出足の早いタックルと攻撃ではBKで思い切りのよいアタックを見せるチームカラー、このあたりに早稲田にとってのヒントはあるかもしれない。

10回戦えば明治大が勝ち越すかもしれないが、勝負はトーナメントの決勝戦。明治大としては、ディフェンスからペースをつかみ落ち着いた試合運びをしたい。一方の早稲田は、多彩なアタックで早い段階で明治大のディフェンスを迷わせ慌てさせることができるか。

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