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大学ラグビーのFW平均体重推移(2000-2022)と小型選手のゆくえ

日本代表は、フィジカルが強化されたことも躍進の理由の一つ。大学ラグビーでもフィジカル強化がすすんでいるが、その推移を大学選手権決勝戦のスタメンのFW平均体重で確認してみたい。

「フィジカル=体重」とは言えないが、目に見える数値としては一つの指標にはなるのではないだろうか。

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大学選手権決勝のFW平均体重推移

2000年度から2022年度の大学選手権決勝戦出場校スタメンの平均体重推移。折れ線グラフの青色が優勝校のFW平均体重、緑が準優勝校のFW平均体重となっている。

日本代表の数値とともに伸びている。2000年代は、早稲田大学帝京大学でFWを中心としたフィジカル強化がすすんだ影響が大きい。

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勝戦のスタメンFW平均体重

以下は、決勝に進出した大学の実際の数値である。2002年あたりでも平均体重が100kgを超えていたという記述も目にしたが、一番大事な試合である大学選手権決勝の数値に注目した。

2017年度の帝京大学が最高値で、108.3kg。そして、2017年と2022年はFW8人全員が100kgオーバーだった。

2000 関東学(  92.0) 42-15 法政大(  93.0)

2001 関東学(  99.0) 21-16 早稲田(  95.0)
2002 早稲田(  92.3) 27-22 関東学(  99.0)
2003 関東学(  96.8) 33-  7 早稲田(  92.4)
2004 早稲田(  98.1) 31-19 関東学(  99.1)
2005 早稲田(  99.6) 41-  5 関東学(101.3)

2006 関東学(  98.9) 33-26 早稲田(  98.3)
2007 早稲田(103.0) 26-  6 慶応大(  94.5)
2008 早稲田(102.8) 20-10 帝京大(102.0)
2009 帝京大(105.3) 14-13 東海大(104.9)
2010 帝京大(102.3) 17-12 早稲田(  98.5)

2011 帝京大(101.3) 15-12 天理大(  93.9)
2012 帝京大(103.9) 39-22 筑波大(  96.4)
2013 帝京大(101.5) 41-34 早稲田(  98.3)
2014 帝京大(104.4) 50-  7 筑波大(  94.9)
2015 帝京大(107.4) 27-17 東海大(  99.8)

2016 帝京大(106.3) 33-26 東海大(  99.8)
2017 帝京大(108.3) 21-20 明治大(103.1)
2018 明治大(105.1) 22-17 天理大(  97.1)
2019 早稲田(101.8) 45-35 明治大(104.5)
2020 天理大(102.4) 55-28 早稲田(101.4)

2021 帝京大(106.9) 27-14 明治大(103.5)
2022 帝京大(108.4) 73-20 早稲田(104.5)

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小型選手のこれから

FWに限ったことではないが、大型化するということは小型選手の居場所がなくなることを意味するのか。

決勝で奮闘した小型選手

大型化がすすむ一方で、80kgに満たない選手がスタメンとして大学選手権決勝の舞台にたったことがあった。そのうちの一人が早稲田大学フランカー中村拓樹選手。

当時は身長170cmで体重75kg。2008年に早稲田大学に入学すると、1年生でスタメンとして大学選手権決勝の舞台に立った。それ以来、3年生の2010年度シーズンまではレギュラーとして出場を続けた。

これからの小型選手は

そののち、ちょうど中村拓樹選手のところに入ったのが、ひと回り大きい金正奎選手。高校の先輩後輩でもある。身長は176cm、体重は94kg(2013年度の早稲田4年生当時)。今のFWの選手たちに比べると小さいが、身長170cm台で活躍する選手は珍しくはない。

ただ、金正奎選手は食事を中心とした体調管理にこだわりを見せる。体をしっかりつくっていることで、トップリーグNTTコミュニケーションズでは主将を務め、日本代表を経験するまでになったのだろう。

期待の小型選手

大学ラグビーでは160cm台や170cm台の選手はたくさんいるが、まもなく天理大学を卒業する岡山仙治選手には今後の活躍を期待したい。天理大学では、密集からスルスル抜けて数多くのトライを奪ってきた。

入団が決まっているクボタスピアーズのHPには、身長168cm、体重90kgとある。金正奎選手のようなトライを取れるトップリーガーになるのではないだろうか。

www.kubota-spears.com

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まとめ

大型化は間違いなくすすんでいる。しかし、小さいことの利点があるならば、必ず生きる道はあるはずだ。小回りがきくし、相手にとってはハイタックルの危険もあってタックルしづらいこともある。そのため、小さいFW選手がFWの中でのトライゲッターとして動くことも多い。

とくに、ここで紹介した選手たちは、小さいラガーマンたちの道を照らしてくれている。こういった小さい選手の活躍が、ラグビーの幅広い普及につながっていくはずだ。

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関連リンク 

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