概要
関西大学ラグビーAリーグの第1節は、11/7(土)に昨年の奇数順位グループ(odd)の2試合が行われ、11/8(日)に昨年の偶数順位グループ(even)の2試合が行われた。第2節は、11/15(日)に神戸ユニバー記念競技場と宝が池球技場でそれぞれ2試合が行われる。
第1節で勝利したのは昨年の1位から4位の天理大、同志社、関学大、京産大、昨年5位から7位の近畿大、立命館、摂南大、昇格した関西大が敗れるという結果になった。これまでの成績は次の通り。
11/7(土)
近畿大(0勝1敗) 14-28 関学大(1勝0敗)
試合が動いたのは前半20分、近畿大のスクラムでのペナルティにより関学大FB奥谷友規がPGを決めて先制。続く前半26分、ペナルティキックで敵陣深くのマイボールラインアウト、モールから展開しWTB奥平湧がトライを決める。ここまで無得点の近畿大は前半終了間際にNo8末廣大智がトライを返して、関学大が13-7でリードして前半終了。
後半も関学大がPGで先に得点すると、後半22分BKに展開してWTB伴井亮太が左隅にトライ、21-7とリードを広げる。後半30分に近畿大がFWで押し込みLO坂上知志がトライを決めるも、試合終了間際に関学大がFB奥谷友規のトライ、28-14と関学大の勝利となった。
注目ポイント
FW戦からペースをつかみたい近畿大だったが、関学大にうまく対応されて力を発揮することができなかった。十分に実戦経験を積めない中、強みであるスクラムを主将PR森田博斗やPR紙森陽太らを中心に次節に向けて調整してくるだろう。
関学大は前に出るタックルなど積極的なディフェンスで、前半終了間際まで得点を与えなかったことが勝因だろう。ただ、ペナルティは交流戦で14、この試合で12、昨年の1試合平均が7.9だったことを考えるとやや多くなっている。
天理大(1勝0敗) 64-0 摂南大(0勝1敗)
試合は前半2分、天理大はCTBシオサイア・フィフィタがキックパスをワンバウンドつかんでトライを決めて先制。前半9分にはラインアウトからのモールからHO佐藤康が飛び出しトライを追加する。このあとは両チーム得点なかったが、後半35分にBKに展開しFB江本洸志が左隅に押さえて、天理大が19-0とリードして折り返す。
後半は天理大が畳みかける。後半5分にラックからパスを受けたLO中鹿駿が突破しトライ、12分にはラインアウトからのモールを押し込みHO佐藤康がトライ、さらに24分には自陣からパスをつなぎWTB内田祐介が相手ディフェンスをかわしてトライを決めるなど後半だけで7トライを奪い勝負を決めた。天理大が64-0で勝利。
注目ポイント
天理大は攻めあぐんだ時間帯もあったが、主将FL松岡大和を欠きながらも完封で初戦勝利を飾った。それぞれに力を発揮したほか、WTBアントニオ・トゥイアキのところに入ったWTB内田祐介がいい走りを見せた。
交流戦でも0-65で敗れた摂南大だが、前後半とも15分まではトライを与えなかった。この試合でも、前半はディフェンスが機能して得点を許さなかった時間帯もあった。ディフェンスから攻撃に転じられると、試合展開が変わってくる。
11/8(日)
京産大(1勝0敗) 33-27 立命館(0勝1敗)
先制したのは京産大、前半14分に相手陣22mライン付近でラックからパスを受けたSO西仲隼が抜け出し中央にトライ。その直後、京産大は自陣でボールをまわすが、立命館の前に出るディフェンスの圧力からペナルティ、立命館はマイボールスクラムから展開しSO江良楓がトライを返す。前半24分に京産大がFWで押し込みHO梅基天翔がトライを奪うが、立命館はラインアウトからライン際をSH北村瞬太郎が駆け抜けインゴールへ。前半終了間際、立命館がBKでつなぎFB安井拓馬が右隅にトライ、京産大は14-19と5点のビハインドで前半を終える。
後半は、2分に立命館がキックでボールを転がすとキャッチしたCTB山口魁生がそのまま走り込んでトライ。10点差とされた京産大はすぐに反撃、相手ゴール前のラインアウトからモールを組んでHO梅基天翔がトライ、さらにCTBニコラス・ホフアのトライで1点差に迫る。後半35分のシンビンで14人なった立命館はマイボールで時間を使うが、ロスタイムに入ったところでペナルティ。このあとFWのサイド攻撃で相手ゴールラインに迫る京産大が後半45分にLO三木皓生がトライ、33-27で京産大の勝利となった。
注目ポイント
京産大は、前半開始から相手ゴール前のマイボールスクラムでペナルティをおかしたり、立命館の前に出るディフェンスに押されるなど、なかなか波に乗れなかった。しかし、随所で得意のFWでトライを奪いながら得点を離されずついていったことが最後の逆転につながる。
ロスタイムに得たペナルティのシーン、インカムの故障から伊藤鐘史監督の「ショット!」の声は聞こえていなかったようだが、トライを狙いにいったフィフティーンが実際にトライを奪ってみせた。WTB堀田礼恩を走らせる場面をつくるれると攻撃の幅が広がるが、やはりここぞというときは伝統のFWということだろう。
あと一歩のところで勝利を逃した立命館は、交流戦2戦を含めて初めてのリードする展開に、やや守りの気持ちが出たのか後半は前半ほどの前に出るディフェンスは見られなかった。また、京産大の後半のペナルティがわずか1だったこともあり、得点は後半11分のPGが最後となった。常に攻める気持ちが勝利への鍵か。
関西大(0勝1敗) 31-33 同志社(1勝0敗)
試合は、関西大が前半6分にPGで先制すると、さらに9分にSO高桑基生がキックからNo8高井杏輔、FL千原拓真とつないでトライを決める。一方の同志社は、前半14分にラインアウトモールから展開しWTB岡野恭吾がトライを返す。ここから膠着状態が続くも、前半終了間際に得点が激しく動く。前半37分、関西大がペナルティから攻め込みFWが粘ってトライ、39分に同志社はハイパントが跳ねたボールをキャッチしてトライ、今度は逆に関西大がハイパントからトライに結びつけた。同志社が14-24と10点のビハインドで前半終了。
後半は、同志社のキックオフのボールを関西大がこぼすと、同志社が奪って最後はCTB稲吉渓太がディフェンスを抜けて中央にトライ。さらに後半6分、同志社は大外でパスを受けたWTB岡野恭吾が走りきってトライ、ゴールも決まって28-24と逆転する。そして、後半38分、同志社はラインアウトからのモールを押し込みHO谷本卯楽がトライ、同志社が33-31で勝利。
注目ポイント
昇格した関西大は、Aリーグ5位だった2017年は同志社に勝っている。当時1年生ながら主力だった選手5人が今は4年生となりメンバーに入っているため、昨年2位の同志社に臆するどころか勝つ気満々であったはずだ。交流戦は関学大に後半追い上げるも2点届かず、同志社には後半逆転されて2点差の敗戦となったが、この日は4つだったようにペナルティを少なくできると今後も競った試合ができるはずだ。
同志社は、前半に10点のビハインドとなったが、後半は主将FL中尾泰星が常々80分間戦うと言ってきた通り集中力を切らさず戦うことができた。また、WTB岡野恭吾は1年生ながら魅力的なランを見せており、今後WTB和田悠一郎やWTB山口楓斗らが戻るとどういう布陣になるかが注目だ。
前半の動きが悪かったのは伊藤紀晶監督がプレッシャーをかけすぎたということだが、3試合しかない総当たり戦は取り返しがつかないのは事実ではある。関西大は経験豊富な4年生が多く例年の昇格チームとは違うものがあるが、連戦の中であっても糧にしてこそ高みを目指せる。
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