概要
関西大学ラグビーAリーグ第2節は、11/15(日)に昨年の奇数順位グループ(odd)、昨年の偶数順位グループ(even)の各2試合が行われた。第3節は、11/21(土)にevenの2試合が布引グリーンスタジアムで、11/22(日)にoddの2試合が神戸ユニバー記念競技場で行われる。
第2節を終えて、昨年の1位から4位の天理大、同志社、関学大、京産大の4チームが2連勝、昨年5位から7位の近畿大、立命館、摂南大と昇格した関西大が2連敗という結果になった。これにより、大学選手権への出場できる3チームは、2連勝の4チームに絞られた。これまでの成績は次の通り。
関西リーグ 対戦表
11/15(日)
odd:関学大(2勝) 52-31 摂南大(2敗)
先に点をとったのは関学大、前半14分に相手ゴール前でのマイボールラインアウトからモールで押し込み、PR田畑司が押さえた。直後の18分、摂南大が相手22メートルライン手前からSH三田村直輝がパスを受けて抜け出し、ゴールポスト真下にトライ。このあと、関学大はラインアウトからのモール、ゴール前でのサイドアタックで、いずれもHO竹内海斗がトライを追加、前半を19-10とリードして終える。
後半も関学大が中盤からモールを押しすすめインゴールへ、SH橋詰学が押さえた。摂南大はハーフウェイライン付近からCTB東将吾が突破しSH三田村直輝につないでトライ、後半10分に今度は自陣からSO山田吏樹が突破しCTB東将吾がトライを決めて2点差に迫る。しかし、関学大は15分にゴール前のFWサイドアタックからNo8松田進太郎がトライ、29分にはゴール前スクラムからSH佐藤響がトライを決めるなど、さらにトライを加えて52-31で勝利。
注目ポイント
関学大は、第1節では3つのトライを全てBKで奪ったが、第2節ではFWにこだわって着実にトライを重ねた。一方で、前に出る積極的なディフェンスが特徴だが、内側を突破されてトライを奪われる場面が目立った。次への課題となるだろう。
摂南大は関学大のFWを止めきれなかった。ペナルティが14とやや多かったために、相手FWが活躍する場面を自らつくってしまったこともあるだろう。次節の相手近畿大もFWにこだわった攻めをしてくることが予想されるので対策が必要だ。
odd:天理大(2勝) 50-0 近畿大(2敗)
先制したのは天理大、前半16分に相手ゴール前での近畿大ボールのスクラムを一気に押して、こぼれたボールをLOアシペリ・モアラがトライ。20分には自陣で相手ボールを奪うとSH藤原忍が敵陣深くにロングキック、FB江本洸志が足にかけてインゴールに転がったボールを押さえて14-0。さらに、23分にはパスをつなぎNo8山村勝悟がトライ、38分にはラインアウトモールからFL松岡大和が抜け出してトライを加えるなど、天理大が31-0とリードして折り返す。
後半、ピンチでターンオーバーするなど粘る近畿大だったが得点したのは天理大、15分にスクラムでのペナルティからアタックを仕掛けるとLOアシペリ・モアラがトライ。21分にはラインアウトからの展開でLOアシペリ・モアラがトライ、ロスタイムにはモールから抜け出したLOジョネ・ケレビがトライを決めて、天理大が50-0で勝利。
注目ポイント
天理大は2戦連続完封勝利。ミスやペナルティが減り完成度は高まっているが、トライを取りきれない場面もあった。初戦はFWで5つ、BK5つトライをとったのに対し、この日はFW6、BK1。相手のマークをひきつけるCTBシオサイア・フィフィタの不在が大きかったか。
小松監督によると、フィフィタは「大きなけがではない」ということだが、次節も不在ならBK個々の役割と意識は変えていかなければならないだろう。
フィフィタは「そんなに大きなけがではない」
近畿大は前後半とも15分までは無失点、攻め込まれた場面でボールを奪い返してピンチをしのぐなどFWが頑張りを見せたが、スクラムを押し込まれるなど課題も残った。この敗戦で大学選手権への出場はなくなったが、4年生はその戦う姿によって後輩たちに財産を残したい。
even:京産大(2勝) 34-10 関西大(2敗)
第1節は立命館に逆転勝ちした京産大、関西大は善戦及ばず黒星スタートとなった。
先制は関西大、前半8分にFB松本大吾がPGを決める。13分にはゴール前に攻め込んだ京産大がボールをつなぎ、最後はLO城間賢が中央にトライ、さらに26分にPGで得点を加える。40分過ぎ、京産大は相手ゴール前でマイボールスクラムを得たもののボールがこぼれて関西大がカウンター、WTB勝又佑介が大きくゲインするとNo8高井杏輔からのオフロードパスを再びWTB勝又佑介が受けてトライ、10-10の同点で前半終了。
後半4分、相手ゴール前でつなぐ京産大は最後は138kgのNo8ヴェア・タモエフォラウが押さえる。11分にPGを加えると、14分には左サイドでのラックからSO西仲隼がゴールポスト手前に小パント、ワンバウンドしたボールをHO梅基天翔がつかんでトライを決め27-10とリードを広げる。36分にもFWにこだわってフェイズを重ねた京産大はSH廣田瞬がトライを決め、34-10で勝利し開幕2連勝となった。
注目ポイント
京産大は、与えたトライはカウンターの1本のみとディフェンスが機能した試合となった。FWは試合を通じて頑張りを見せたが、スクラムからボールがこぼれカウンターを与えた場面は心残りだろう。また、ハンドリングエラーは12とやや多かったことも気がかりか。気を引き締めて、グループ1位を決する同志社との対決に挑む。
関西大のほうは、前半は相手を1トライに押さえてカウンターで追いついたが、後半開始から15分間で17点を奪われたのが響いた。FWにこだわるチームとの対戦は消耗の度合いが違うのかもしれないが、次もFWに自信を持つ立命館との対戦となる。大学選手権出場の可能性は消えたが、残り2試合は善戦ではなく白星で締めくくりたい。
even:同志社(2勝) 53-19 立命館(2敗)
初戦辛勝の同志社に対し、初戦はロスタイムで逆転負けの立命館との対戦。同志社が6連勝中の対戦とはいえ、立命館の前評判はよく接戦が予想された。
試合のほうは、前半16分同志社は相手ゴール前のラックからWTB山口楓斗が飛び込み先制トライ、26分にはWTB谷川司が相手ディフェンスをかいくぐりトライを追加する。さらに36分、自陣からWTB山口楓斗が大きくゲインすると最後はSH人羅奎太郎がトライし、19-0とする。直後の39分、立命館は相手ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、FL宮下大輝がトライを返す。PGを加えた同志社が22-7とリードして前半を折り返す。
後半は立命館がSH松本涼志のトライで先に得点するが、12分に同志社はCTB岡野喬吾がチャージからそのままトライ、15分にもBK展開からCTB岡野喬吾が押さえゴールも決まって、36-12とリードを広げる。立命館はラインアウトモールで反撃するも、さらにトライを加えた同志社が53-19で勝利して2連勝とした。
注目ポイント
前節は試合の入りが悪かった同志社だったが、今節から復帰のWTB山口楓斗の積極的なプレイなどからペースをつかんだ。1年生の岡野喬吾は、WTB山口楓斗が復帰と大学の体の当たりに慣れた頃合いでいうことからか本職のCTBに入りいい動きを見せた。ラインアウトからのモールで2本のトライを奪われたが、次節の京産大も得意とする形でもあり対策が必要だ。また、ハンドリングエラーが12というのも課題となる。
「狙っていた」という流れを引き戻したCTB岡野喬吾のチャージ、前節までのWTBのポジションならチャージは生まれなかったかもしれない。
CTB岡野喬吾「機会があれば狙おうと思っていた」
直前に京産大が関西大に勝ったことで大学選手権に向けてあとがなくなった立命館だったが、終始流れをつかむことができなかった。2018は2位ながら2019は6位、苦しい場面で気持ちを強くもつには白星を積み重ねた経験も重要なものだ。ならば、残る2戦は消化試合ではなく、来年の自信のために白星を重ねたい。
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