概要
2020年12月6日(日)、秩父宮ラグビー場において第96回の早明戦が行われる。ここまでの両者の成績は、早稲田が6戦全勝、明治大が5勝1敗となっており、最終戦の早明戦に勝ったほうが大学選手権に向けての1位扱いとなる。昨年は早明戦では明治大が36-7で快勝、大学選手権では早稲田が45-35で逃げ切った。
早稲田が全勝、明治大が1敗で迎える早明戦は、2004年以来となる。そのときは49-19で早稲田が勝利しており、4年連続全勝優勝を成し遂げている。当時の早稲田のメンバーは、主将PR諸岡省吾、SH後藤翔太らの4年生に、No8佐々木隆道、HO青木佑輔ら3年生とルーキー五郎丸歩がFBに入る布陣。対する明治大は、SH藤井淳、No8日和佐豊、CTB髙野彬夫、WTB濱島悠輔らが出場した。
両者の比較
過去20年の勝敗
以下は年度ごとの対戦結果、その年の対抗戦勝敗分の順、丸数字は対抗戦の最終順位(勝敗が並んだ場合に同順位としたもの)。
2000 早46-38明 早5-2② 明5-2②
2001 早36-34明 早7-0① 明5-2③
2002 早24- 0明 早7-0① 明5-2③
2003 早29-17明 早7-0① 明4-3③
2004 早49-19明 早7-0① 明5-2②
2005 早40- 3明 早7-0① 明4-3④
2006 早43-21明 早7-0① 明5-2②
2007 早71- 7明 早7-0① 明5-1-1②
2008 早22-24明 早5-2② 明3-4⑤
2009 早16-14明 早6-0-1① 明3-4⑤
2010 早31-15明 早6-1① 明6-1③
2011 早18-16明 早5-2② 明5-2②
2012 早32-33明 早4-3④ 明6-1①
2013 早15- 3明 早6-1② 明3-4⑤
2014 早37-24明 早5-1-1② 明5-2③
2015 早24-32明 早4-3④ 明6-1①
2016 早24-22明 早6-1② 明5-2③
2017 早19-29明 早5-2② 明5-2②
2018 早31-27明 早6-1① 明5-2③
2019 早 7-36明 早6-1② 明7-0①
2000-2009の10年間は、7年連続全勝優勝を達成した早稲田が9勝、明治大は1勝のみ。2010-2020の10年間は、早稲田の6勝、明治大の4勝となっており、とくに2014以降の6年間は交互に勝利している。また、この間は接戦が多くなっており、一方が4位や5位に沈んだ年でも僅差の試合が行われており、予想のつかない戦いであることがわかる。
<参考>早明戦全記録
FW平均体重
FW平均体重については、まだメンバーが発表されていないため、前節のFW平均体重を見てみたい。今季は両チームとも試合ごとに変化が少ないので、最終戦でも大きく変わらないものと考えられる。いずれにしても、両者ともに1kg程度の差しかなく、勝敗のポイントにはなりそうにない。
早稲田 101.4kg
明治大 102.5kg
ポジション別トライ数
帝京大、慶応大、筑波大との3試合におけるFWとBK別のトライ数を集計。関東大学対抗戦では、帝京大や慶応大などは序盤戦からラインアウトモールから押し込むなどFWを中心にトライを奪ってきた。しかし、早稲田と明治大はFWにこだわりすぎずにBK展開のアタックを試みてきたせいか、BKの完成度が高まってきている。
早稲田 FW8トライ BK10トライ
明治大 FW3トライ BK 9トライ PT1
ラグビーマガジン 2021年 01 月号 [別冊付録:ラグビーカレンダー2021]
時間帯別トライ数
こちらも、帝京大、慶応大、筑波大の3チームと対戦したときのデータを抽出している。トライ数と失トライ数は次の通り。参考までに、帝京大と慶応大のそれぞれ上位チームとの3戦のデータも記載した。
トライ数
早稲田18(前半11、後半 7)
明治大13(前半 7、後半 6)
帝京大17(前半11、後半 6)
慶応大 5(前半 1、後半 4)
失トライ数
早稲田 9(前半 4、後半 5)
明治大 8(前半 6、後半 2)
帝京大15(前半 8、後半 7)
慶応大 8(前半 4、後半 4)
早稲田
早稲田のトライについては、全トライ18本のうち前半31分以降に5トライと多くなっている。この時間帯には、筑波大戦で3トライのほか、帝京大や慶応大からも1本ずつとっている。失トライの時間帯は散らばっており、特徴は見られない。
明治大
明治大のほうもトライは前半31分以降に多くなっており、後半も終盤にややトライが増えている。失トライは前半6本に対して後半はわずか2本、慶応大がラインアウトモールを押し込んだものと筑波大がラインアウトの最前列に走り込んでくるサインプレーで奪ったトライだけだ。
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まとめ
伝統的には、早稲田にBKのイメージ、明治大にはFWのイメージがあるが、近年の両チームは、FW、BKともにレベルが高く特別に偏りは見られず体格も差はない。
データで見ると、前半は早稲田のトライが多く、明治の失トライが多い。そのため、昨年度の大学選手権決勝のように、前半で早稲田が圧倒して点差を広げることがイメージされるが、悔しい敗戦を忘れるはずはなく同じ轍を踏まないよう対策をしてくるはずだ。
早稲田はプランを徹底して相手の強みを消してくるなどチームの意思統一がしっかりできるチーム、明治大戦にはどんなプランでの臨むのか。BK陣が充実する明治大には前節のようなハイパントを中心とした攻撃ではなく、どんどんアタックを仕掛けたり、それとも1年生SO伊藤大祐を初先発させるなど相手を悩ませるスタメンを組んでくるか。
明治大は、ボールを運べるNo8箸本龍雅や大型CTB児玉樹、前節キレた走りを見せたWTB石田吉平らにマークが集まることが予想されるが、それがわかった上でどうトライにつなげていくか。また、前節はSOに森勇登をおくなど、これまでにないスタメンとなった。SOに誰が入るかも注目される。
今季の早明戦は、12/6(日)の試合を前に、2日前の12/4(金)に発表予定のメンバーも気になるところだ。