概要
第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の準々決勝は、12/19(土)に4試合が行われる。このあと、準決勝は1/2(土)に、決勝は1/11(月・祝)に予定されている。
準々決勝ではシードとなっていた明治大学、早稲田大学、東海大学、天理大学が登場、それぞれ3回戦を勝ち上がった日本大学、慶應義塾大学、帝京大学、流通経済大学と戦う。
トーナメント
ラグビーマガジン 2021年 01 月号 [別冊付録:ラグビーカレンダー2021]
12/19(土)
慶應義塾大学 11:35 早稲田大学(秩父宮)
今季の関東大学対抗戦では、早稲田大学が22-11で勝利。好タックルを連発し明治大学に勝利していた慶應義塾大学に対して、早稲田大学がハイパントなどで相手ディフェンスとのぶつかりあいを避ける展開となった。
慶應義塾大学は、早稲田大学に敗戦したあとBKにサイズのあるCTBイサコ・エノサをスタメンに入れるなど対策すると、関東大学対抗戦最終戦の帝京大学にロスタイムの逆転トライで勝利、大学選手権3回戦でも京都産業大学47-14と勝利した。突き刺さるタックルからチャンスをつくりFWにこだわって攻めるこれまで通りのスタイルで準々決勝に挑むはずだ。
早稲田大学のほうは、相手の強みを消しながら慶應義塾大学、帝京大学に勝利してきたが、最終戦で明治大学にはやや受けにまわり敗れて6勝1敗、関東大学対抗戦を2位で終えた。2年前の大学選手権では早稲田大学がロスタイムの逆転トライで勝利したが、ここのところは早い時間帯から仕掛けて逃げ切って勝つことも多く、前半からの早稲田大学の攻め方に注目したい。
出場メンバーチェック
慶應義塾大学は、関東大学対抗戦11トライのHO原田衛、タックルとジャッカルでピンチをチャンスに変えるFL山本凱ら不動のメンバーに変更はなく、ここ2戦スタメンのCTBイサコ・エノサは続いてスタメンスタートとなる。
早稲田大学のほうは、1年生の伊藤大祐(桐蔭学園)が初先発となりCTBに入る。BK唯一の4年生WTB古賀由教が引っ張る。FWはLOに桑田陽介が入るほかは、FL相良昌彦、1年生FL村田陣悟(京都成章)、主将No8丸尾崇真らのメンバーに変わりはない。
過去の対戦成績
過去10年では大学選手権で1試合、関東大学対抗戦で10試合を戦っており、早稲田大学が10勝1分と勝敗では慶應義塾大学を圧倒。しかし、2014から2019までの7試合は全て7点差以内という接戦が続いている。
<大学選手権>
2019 慶應義塾大学 19-20 早稲田大学
<関東大学対抗戦>
2016 慶應義塾大学23-25早稲田大学
2017 慶應義塾大学21-23早稲田大学
2018 慶應義塾大学14-21早稲田大学
2019 慶應義塾大学10-17早稲田大学
2020 慶應義塾大学11-22早稲田大学
FW平均体重
慶応大 99.5kg
早稲田 101.9kg
FW高身長選手
慶応大 LO大山祥平185cm LO相部開哉184cm
早稲田 LO下川甲嗣187cm LO桑田陽介185cm FL村田陣悟185cm No8丸尾崇真183cm
明治大学 14:00 日本大学(秩父宮)
関東大学対抗戦優勝の明治大学に対して、3回戦で福岡工業大学に圧勝した関東大学リーグ戦3位の日本大学との一戦。過去の対戦は全て明治大学が勝利しているものの、近年の対戦はない。
明治大学は対抗戦では慶應義塾大学に12-13で敗れたが、そのあと自分たちの強みにフォーカスしながら帝京大学、早稲田大学に勝ってきた。ここ2戦はCTBが本職の森勇登がSOを務めるが、経験豊富で視野が広く無難にこなす。突破力の主将No8箸本龍雅を始め、ラインアウト番長LO片倉康瑛、190cm103kgの大型CTB児玉樹、167cmながらキレのあるステップを見せるWTB石田吉平ら個性豊かな顔ぶれが並ぶ。
日本大学のほうは、リーグ戦序盤はやや得点力が不足し苦戦したようにも見えたが、大東文化大学、福岡工業大学との直近2戦は88点、108点と大爆発。強力な第一列を中心にFWのアタックに迫力がある一方、CTBフレイザー・クワークやWTBナサニエル・トゥポウ、どこにでも現れるWTB水間夢翔らBKのアタックも見応えがある。明治大学を相手に先手を取りたいが、スクラムでどこまで勝負できるかに注目したい。
出場メンバーチェック
明治大学は、序盤は入れ替わりのあったFW第一列もPR中村公星、HO田森海音、PR村上慎で固定されており、BKのほうも11月後半にFB雲山弘貴が復帰してほぼ不動のメンバーとなっている。また、早明戦同様にSHのリザーブはおかず、なにかのときにはWTB石田吉平が代わる。
日本大学のほうは、FWにFL飯田光紀が戻り主力が揃った。BKは3回戦に続いてCTB広瀬龍二がメンバー外、SH前川李蘭がリザーブとなる。そうなると、3回戦で不安のあったキッカーを誰が担うのか注目されるところだ。
過去の対戦成績
1976 明治大学22-11日本大学
1995 明治大学64- 5日本大学
1996 明治大学70-15日本大学
1997 明治大学53-25日本大学
2000 明治大学38-23日本大学
2012 明治大学40- 3日本大学
FW平均体重
明治大 102.5kg
日本大 100.9kg
FW高身長選手
明治大 LO片倉康瑛189cm No8箸本龍雅188cm LO髙橋広大184cm PR中村公星183cm
日本大 LO趙誠悠183cm LO板倉正矢183cm
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東海大学 11:35 帝京大学(花園)
シーズン直前の練習試合でも過去の対戦でも帝京大学が圧倒している。しかし、関東大学リーグ戦では不戦敗1つで優勝した東海大学に対して、帝京大学は関東大学対抗戦では4勝3敗の4位だった。
東海大学が安定した戦いぶりを見せたのは、リーグ戦6戦とも試合開始20分までに2トライ、さらに後半開始から10分間のうちに1本はトライを取るなど「入り」の部分でペースをつかんでいることが大きい。1年生SO武藤ゆらぎ(東海大仰星)が安定したプレイをしていることもある。
帝京大学のほうは、もともと強力なFWに1年生の活躍などもあり層に厚みを増しており、BKもCTB尾崎泰雅を中心に迫力がある。しかし、敗れた試合では後半にペナルティが増えて失速するという傾向があった。試合中の修正力を上げるためにどう対策してくるか。
出場メンバーチェック
東海大学は、これまで主にFBで全試合スタメンだった酒井亮治がメンバー外となった。FLレキマ・ナサミラは3戦ぶりに先発、ノア・トビオはリザーブスタートとなる。また、SO丸山凛太朗はリザーブのため、SO武藤ゆらぎか3戦ぶりに先発のWTBポロメア・カタがキッカーを務めることになりそうだ。
帝京大学のほうは、大幅メンバー変更となった。PR細木康太郎、LO久保克斗、FLダアンジャロ・アスイ、No8安田司、SH片岡祐二、CTBニコラス・マクカランら6人は今季わずか2度目の先発となるが、経験豊富な選手も多くチームを落ち着かせるだろう。主にスタメンだったPR渡邉元太、LO山川一瑳SH土永雷、CTB押川敦治らはリザーブとなる。
過去の対戦成績
2005 東海大学 0-62帝京大学
2009 東海大学13-14帝京大学
2010 東海大学22-36帝京大学
2015 東海大学17-27帝京大学
2016 東海大学26-33帝京大学
2017 東海大学12-31帝京大学
FW平均体重
FW高身長選手
東海大 LOワイサケ・ララトゥブア193cm FLレキマ・ナサミラ190cm No8吉田大亮186cm
帝京大 LOアレクサンダー・マクロビー197cm LO久保克斗191cm FLダアンジャロ・アスイ190cm
流通経済大学 14:00 天理大学(花園)
関東大学リーグ戦2位の流通経済大学は3回戦で筑波大学と引き分け、抽選で準々決勝への出場権を得た。一方の天理大学は、関西では負けなしで優勝し勝負の年に日本一を狙う。
流通経済大学は、CTBヴィリアメ・タカヤワ、WTBイノケ・ブルアら留学生の突破力のあるBK陣にあって、FB河野竣太の飛び出しが効果的でリーグ戦最多となる9トライをあげている。どこからでもどんな態勢からでもトライに結びつける爆発力を秘める。
天理大のほうは、1年生からレギュラーのSH藤原忍、SO松永拓朗、CTBシオサイア・フィフィタが4年になり、日本一を狙う勝負の年となっている。関西では関西学院大学にはやや受けに回って苦戦したが、次の同志社大学には前に出るディフェンスで前半から圧倒した。
出場メンバーチェック
流通経済大学は、3回戦が今季初先発となったLO平井寿太郎、SO柳田翔吾は続けてスタメンに。LOシンクル寛造、CTBヴィリアメ・タカヤワらがスタメンに復帰した。一方で、これまで全試合で先発してきたCTB土居大吾がメンバー外となっている。イノケ・ブルアはリザーブに控える。
対する天理大は、FB江本洸志が戻ったことにより、松永拓朗が定位置のSOに戻る。スタメンが多かったナイバルワガ・セタや同志社大学戦でいい動きを見せていたSO藤田大輝はリザーブに入った。
過去の対戦成績
2012 流通経済大学36-24天理大学
2019 流通経済大学28-58天理大学
FW平均体重
流経大 108.3kg
天理大 102.4kg
FW高身長選手
流経大 LOシンクル寛造189cm FLシオネ・リクアタ188cm FLタマ・カペネ188cm LO平井寿太郎188cm PR津嘉山廉人187cm
天理大 LOアシペリ・モアラ185cm LO中鹿駿181cm
関連リンク