概要
「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の決勝は、1/11(月・祝)に東京・国立競技場で行われる。
関西大学ラグビーAリーグ1位の天理大学は、2年ぶり3回目の決勝進出、勝てば初優勝となり関西のチームの優勝は1984年度の同志社大学以来36年ぶり5回目となる。
一方、関東大学対抗戦2位の早稲田大学のほうは、2年連続33回目の決勝戦となり、勝てば2年連続17回目、関東大学対抗戦のチームが14年連続の優勝となる。
トーナメント
ラグビーマガジン 2021年02月号 [2大別冊付録:(1)トップリーグ写真名鑑 (2)全国高校大会花園ガイド]
1/11(月・祝) 東京・国立競技場
天理大学vs早稲田大学 13:15〜
直近の対戦は昨年の大学選手権準決勝、早稲田大学が快勝している。ただ、今季の天理大学は関東大学対抗戦1位の明治大学に快勝するなど充実しており、相手の強みに対応してくる早稲田大学と拮抗した戦いが予想される。
ここまでの天理大学
ベスト4を目標にして決勝へすすんだ一昨年とは違い、今季は最初から日本一しか考えていない。1年生から主力SH藤原忍、SO松永拓朗、CTBシオサイア・フィフィタが4年生となり勝負の年を迎えたためだ。
関西大学ラグビーAリーグでは、関西学院大学に前半苦戦しながらの勝利、続く順位決定戦の同志社大学戦では前半を完封するなど不安を払拭して5連覇を達成。大学選手権では、準々決勝で流通経済大学に78-17と圧勝すると、準決勝では明治大学に対し出足のよいディフェンスのほかセットプレイでも対応し41-15と快勝した。
昨年との違いは、CTBシオサイア・フィフィタが突破するだけでなく、周りを生かすパスをつなぐところにあり的が絞りづらい。また、HO佐藤康、LO中鹿駿、No8山村勝悟らのFW陣も力をつけている。
次のグラフは今季の関学大、同志社、明治大と対戦したときの時間帯別トライ数となっている(大差の試合は参考にしづらいため3試合のみ)。3試合全てで開始10分以内にトライを奪っており、20分まで失トライはない。前後半とも入りに集中した反動か、前後半の10-20分頃のトライはやや少なくなっている。
ここまでの早稲田大学
個人の能力に長けた昨年の主力が抜けた早稲田大学だが、主将No8丸尾崇真を中心にチーム一丸となって連覇を狙う。
関東大学対抗戦では明治大学に敗れて2位となるも、試合ごとの攻撃プランを実行しながら勝利に結びつけてきた。大学選手権の慶應義塾大学戦や帝京大学戦では、FWで対抗する一方で、グラウンドを幅いっぱい使って大外まで展開することでトライを奪った。
今季のハーフ団はSH小西泰聖とSO吉村紘、そこから堅実につなぎ大外で待つWTB古賀由教や後ろから飛び出してくるFB河瀬諒介ら快足BKが駆け抜ける。大学選手権2試合では、WTBとFBのバックスリーで10トライのうち6トライをあげた。
時間帯別トライ数のグラフは、今季の関東大学対抗戦の筑波大、帝京大、慶応大、明治大、大学選手権での慶応大、帝京大との対戦のもの。前半10分までにトライを許していないが、以降は失トライが増える傾向にあることがわかる。また、後半はトライ10に対して失トライ9とほぼ同数となっている。
注目のポイント
ともに前半からリードして勝利につなげていくチームだけに、前半の入りから注目される。FWやディフェンスでどちらが先に圧力をかけてペースをつかめるか。どちらが勝つにしても前半を制したほうが、頂点により近づくことになりそうだ。
もう一つはモール、ともに攻撃のオプションとしては欠かせない。早稲田大学は帝京大学戦ではFW一体となってモールを押しすすめたが、天理大学はいかに対応していくか。
また、早稲田大学の大学選手権での試合は慶應義塾大学、帝京大学といずれも関東大学対抗戦のチーム、決勝戦が今季初めての他リーグのチームとの公式戦となる。例年ならそれほどの影響はないかもしれないが、実戦を積めなかった今季の影響はいかほどか。
メンバー表チェック
天理大学は、主将FL松岡大和、SH藤原忍、SO松永拓朗、CTBシオサイア・フィフィタらを中心に、準決勝で怪我で交替したWTBマナセ・ハビリもスタメンに入った。また、準決勝で一旦スタメンに名を連ねながら直前に外れたFB江本洸志が復帰。リザーブにはHO谷口永遠が復帰したほか、豊田祐樹(1年,天理出身)が今季初めてメンバー入りを果たした。
早稲田大学のほうは、不動のメンバーである主将No8丸尾崇真、SH小西泰聖、SO吉村紘、WTB古賀由教、FB河瀬諒介らに加えてCTB平井亮佑が戻った。タックルなどプレイ面での期待はもちろんだが、平井亮佑がいないここ3戦はBKの4年生はWTB古賀由教ひとりだったことを考えると心強い。ここ2戦で先発したルーキー伊藤大祐はリザーブに入った。
過去の対戦成績
過去の大学選手権での対戦は、天理大学が1勝、早稲田大学が3勝となっている。2012年度はプール戦で対戦し、早稲田が準決勝へすすんだ。2015年度もプール戦での対戦、ただプール戦を勝ち抜けたのは東海大学だった。2019年度は準決勝での対戦。
1966年度 天理大学 6-33早稲田大学
2012年度 天理大学14-46早稲田大学
2015年度 天理大学14- 7早稲田大学
2019年度 天理大学14-52早稲田大学
FW平均体重(参考:準決勝時)
天理大 102.4kg
早稲田 101.4kg
FW高身長選手(参考:準決勝時)
天理大 LOアシペリ・モアラ185cm LO中鹿駿181cm
早稲田 LO下川甲嗣187cm FL村田陣悟185cm No8丸尾崇真183cm LO大崎哲徳182cm
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