1964年度に第1回大学選手権が行われてから、2020年度には第57回を迎えた。この間、優勝を経験した大学は10チーム、優勝監督となったのは23人(のべ60人)。この23人(のべ60人)に注目してデータを整理した。
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監督の年数
まずは、監督の年数について。優勝した監督たちは、就任何年目で優勝しているのか。
集計すると、1年目が8名で最多。しかし、前年までコーチとして関わっていたり、監督の体調問題などで実質的な監督をすでに務めていたケースもある。
監督が数年で入れ替わるチームと長期政権となっているチームで特徴が分かれる。ちなみに、以下の表の44年以上のデータは全て明治大学の北島忠治監督である。
監督の年齢
次に、監督の年齢について見ていきたい。最年少は27歳で、第1回で優勝監督となった法政大学の石井徳昌監督。最年長は明治大学の北島忠治監督の94歳。
特に集中している年齢層はなく、27歳から61歳まではバラついていると言える。こちらも、数年で監督が交替するチームと長期政権となるチームで特徴がでる。帝京大学の岩出雅之監督は51歳から59歳の間に9連覇を遂げた。
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監督の現役時代のポジション
最後に、監督の現役時代のポジションについてのデータを紹介する。 複数のポジションを経験した監督は両方のポジションでカウント。複数カウントしたのは当時しのぎを削った2人、関東学院大学の春口廣監督はSHとFLで、早稲田大学の清宮克幸監督はFLとNo8であった。
最多はFL。帝京大学の岩出雅之監督がのべ9人分を稼いでいるためでもあるが、実人数でも一昨年の早稲田大学の相良南海夫監督ら8人いる。
次に多いのはHOだが、のべ12人のうち明治大学の北島忠治が一人でのべ11人分。3番目に多いSHは、関東学院大学の春口廣監督がのべ6回、慶應義塾大学の上田昭夫監督が2回、明治大学の田中澄憲監督が1回となっている。
使用した優勝監督データ
大会回数、年度、大学名、監督名、監督年数、年齢、現役時のポジションの順。
第1回 1964 法政大学 石井徳昌 16 27 SO
第2回 1965 早稲田大学 横井久 1 33 CTB
第3回 1966 早稲田大学 結城昭康 1 30 PR
第4回 1967 法政大学 石井徳昌 8 30 SO
第5回 1968 慶應義塾大学 平沼光平 3 59
早稲田大学 白井善三郎 1 36 FL
第6回 1969 日本体育大学 綿井永寿 41 FL
第8回 1971 早稲田大学 白井善三郎 2 39 FL
第15回 1978 日本体育大学 綿井永寿 50 FL
第23回 1986 大東文化大学 鏡保幸 6 35 SO
第24回 1987 早稲田大学 木本建治 3 47 SO
大東文化大学 鏡保幸 8 37 SO
第29回 1992 法政大学 武村秀夫 1 46 FB
第31回 1994 大東文化大学 鏡保幸 14 43 SO
第33回 1996 明治大学 寺西博 1 61 CTB
第34回 1997 関東学院大学 春口廣 24 48 SH,FL
第35回 1998 関東学院大学 春口廣 25 49 SH,FL
第37回 2000 関東学院大学 春口廣 27 51 SH,FL
第38回 2001 関東学院大学 春口廣 28 52 SH,FL
第39回 2002 早稲田大学 清宮克幸 2 35 FL,No8
第40回 2003 関東学院大学 春口廣 30 54 SH,FL
第41回 2004 早稲田大学 清宮克幸 4 37 FL,No8
第42回 2005 早稲田大学 清宮克幸 5 38 FL,No8
第43回 2006 関東学院大学 春口廣 33 57 SH,FL
第44回 2007 早稲田大学 中竹竜二 2 34 FL
第45回 2008 早稲田大学 中竹竜二 3 35 FL
第56回 2019 早稲田大学 相良南海夫 2 50 FL
第57回 2020 天理大学 小松節夫 26 57 CTB
*第5回、第22回、第25回は両チーム優勝。
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