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入替戦2021 結果とポイント … 立正大,東洋大が昇格 関学大,摂南大はA残留

概要

2021年度の主要3リーグ最上位にあたるリーグの入替戦は、12/11(土)に関東大学リーグ戦の2試合と関西大学ラグビーの2試合、12/12(日)に関東大学対抗戦の2試合が行われた。

関東大学対抗戦は、青学大、立教大ともに勝ってAグループ残留。関東大学リーグ戦では立正大が8年ぶり、東洋大が29年ぶりの昇格を決めた。関西大学ラグビーの摂南大と関学大は勝利、Aリーグ残留となった。

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関東大学対抗戦 12/12(日)

青山学院大学(A7位) 73-19 明治学院大学(B2位)

試合は、前半6分に青学大ラインアウトモール、20mほど押し続けてHO相根大和(4年,京都成章)がディフェンスをすり抜け先制トライ。対する明学大は14分、ゴール前に攻め込むとSH笹本陽太(2年,日川)が抜け出しトライを返す。

19分の青学大、自陣でパスをまわすとFL金原匡佑(3年,國學院久我山)が抜け出し、WTB手島究(4年,東農大二)へつないでトライ。このあとさらにトライを加えた青学大が35-7とリードして前半を折り返す。

後半も青学大の勢いが続く。後半5分にはゴール目前から左へ展開、大外のWTB榎本拓真(1年,桐蔭学園)がインゴールに飛び込んだ。15分には明学大が攻め込むもパスミス青学大のカウンターからのトライを許す。

明学大は終盤に意地を見せる。35分にラインアウトモールからHO中川築(3年,國學院久我山)がインゴールに押さえた。41分にはFL吉田隼輔(1年,國學院栃木)がアタック、最後はLO小澤太一(4年,日大藤沢)がトライを決める。しかし、青学大が73-19で勝利し、Aグループ残留となった。

注目ポイント

青学大は、序盤は堅実に戦い、前半の半ばあたりからトライを重ねて突き放した。描いていた通りの試合運びができたのではないだろうか。今季はディフェンス力が向上、来季以降にもつながるはずだ。しかし、1年生からの主力SO桑田宗一郎(4年,桐蔭学園)が卒業となり、来季のチームづくりが注目される。

明学大のほうは、やりたいことをさせてもらえずに終わったか。青学大とは2019入替戦の再戦となったが、リベンジならず。Aグループとの差を感じた試合となったかもしれないが、来季に生きる経験となるはずだ。

立教大学(A8位) 37-5 成蹊大学(B1位)

試合は立教大が先制、8分14分とSO安藤海志(3年,京都成章)が2本のPGを成功させる対する成蹊大は18分、SO糊谷憲信(3年,佐野日大)が中央から右サイドライン際へキックパス、WTB鈴木康太(4年,静岡聖光学院)がキャッチしそのままトライを決めた。

差を詰められた立教大は、34分に相手ゴール前での攻防からHO三村真嶺(1年,東海大仰星)がインゴールに飛び込んだ。40分にはハーフウェイラインでのマイボールスクラムから展開、WTB舟橋広倫(4年,名古屋)からWTB太田匠海(2年,京都成章)へとつないでトライを決め、20-5とリードして前半を終えた。

後半も開始すぐに立教大が得点、後半4分にモールでゴールに迫ると、LO村田裕太(函館ラ・サール)が相手ディフェンスに絡まれながらもトライを決める。以降は両者得点なく時間が経過するが、28分にSO安藤海志が中央からドロップゴールを成功、30-5とリードを広げた。

ロスタイムには、立教大が敵陣ゴール前でマイボールスクラム、そのまま押しすすんでNo8紀伊雄介(3年,桐蔭学園)がインゴールに押さえた。立教大が37-5で勝利、Aグループ残留を決めた。

注目ポイント

立教大は、序盤にPGを2本成功し、前半はペナルティがわずか2つ、堅実な試合で勝利につなげた。成蹊大とは、2015から2019まで5年続けて入替戦で接戦を演じてきたが、今回は相手にスキを与えなかった。

成蹊大のほうは、前半を堅く試合をすすめる立教大に対し、SO糊谷憲信のキックパスは見事だった。後半は相手が14人になった時間帯に得点ならず、立教大を慌てさせることができなかった。

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関東大学リーグ戦 12/11(土) 

中央大学(1部7位) 21-26 東洋大学(2部2位)

試合は東洋大が先制、前半2分に相手ゴールライン前のラックからFLタニエラ・ヴェア(2年,目黒学院)が押し込んだ。12分にはマイボールラインアウトから逆サイドいっぱいまで展開、大外のWTB杉本海斗(2年,東京)がインゴールに飛び込んだ。

追う中央大は17分、相手陣10mライン付近でBK展開、CTB水野陸(2年,東京)が抜け出してそのままトライ。一方の東洋大は27分にSH神田悠作(3年,東筑)がラックサイドを抜け出して中央へトライを決める。前半終了間際の中央大はNo8山﨑成太(3年,東京)がトライを返すも、東洋大が19-14とリードして前半終了。

後半は中央大が先手、18分に相手ゴール前のラックから、LO市川大喜(4年,九州学院)がサイドにアタック、すぐにHO光安喬平(1年,大阪桐蔭)ボールを受け取りインゴールに飛び込み同点。さらにSO津田貫汰(3年,桐蔭学園)がゴールを決めて逆転に成功する。

そして後半25分、中央大は自陣のインゴールでパスをまわすも東洋大CTB大島暁(3年,目黒学院)が絡む、こぼれたボールをWTB杉本海斗が押さえた。これが決勝点となり東洋大が26-21で勝利、29年ぶりの1部昇格を果たした。

注目ポイント

中央大は、悔やまれる決勝点となったが、勝負どころで勝ち切れるよう1年かけて精進するしかない。初めての降格となり来季は2部で戦うことになるが、この日トライを決めたCTB水野陸、No8山﨑成太、HO光安喬平のほか、SO津田貫汰、CTB山田翔平(2年,國學院栃木)、FB杉本崇馬(3年,佐野日大)ら楽しみな下級生が多数残る。

東洋大のほうは、FLタニエラ・ヴェアのパワーとSH神田悠作が抜け目のない動きと組み合わさって的が絞りづらい。昨年は2部で優勝しながら入替戦は実施されず、2年越しの思いをぶつけての勝利となった。

専修大学(1部8位) 47-53 立正大学(2部1位)

先制したのは立正大、前半12分に相手ゴール目前ラックからNo8エパラマ・ツヴュニボノ(3年,ジョンウェズレーC)が押し込み先制トライ。直後の専修大は15分、マイボールラインアウトからSH友池瞭汰(3年,東福岡)が抜け出しインゴールに飛び込んだ。

立正大は20分に約40mのPGをFB五十嵐拓星(4年,新潟工)が成功。今度は専修大、37分にゴールライン寸前まで攻め込むと、CTB平山壮太(4年,大分舞鶴)にロングパス、ディフェンスをかわしてトライを決めた。全半終了間際にPGを決めた立正大は、13-14と1点差に迫り前半終了。

後半は立正大の流れとなる。後半4分にハイパントからこぼれたボールをLO永田優大(4年,鹿児島玉龍)がトライ、9分13分にもNo8エパラマ・ツヴュニボノが抜け出しトライを追加。さらにトライを加えた立正大は、46-14とリードを32点に広げた。

追う専修大は、22分にHO米沢豪真(4年,茗溪学園)が後半最初のトライを決めると、29分にWTB飯塚稜介(2年,桐蔭学園)からのオフロードパスをつかんだSH友池瞭汰がトライ。さらにトライを加え、ロスタイムにFB古里樹希(3年,東福岡)がトライしゴールも成功するも、ここでノーサイド。立正大が53-47で勝利、8年ぶりの1部昇格を決めた。

注目ポイント

専修大は、後半開始早々に逆転トライを許したあとに、続けて4本のトライを奪われた。キープ時にテンポを下げて落ち着かせるなどして、流れを断ち切りたかった。しかし、このあとはトライを返して6点差に、敗れはしたがこの粘りは来年に向けて意味のあるものになったはずだ。

立正大のほうは、2年前の中央大との入替戦ではSO侭田洋翔(現クボタ)のハイパントなどのキックに苦しめられて敗戦。当時SOとして出場していた主将FB五十嵐拓星は、人一倍悔しい思いをしただろう。この試合では、立正大のハイパントからのトライで流れをつかみ、連続トライをにつながった。2年前の教訓が生きた勝利だったのかもしれない。

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関西大学ラグビー 12/11(土) 

関西学院大学(A8位) 48-17 大阪体育大学(B1位)

試合は関学大が先制、前半6分にラインアウトモールからHO山田哲平(3年,東海大仰星)がサイドを突き、最後はLO藤井崇弘(1年,石見智翠館)が押し込んだ。続く11分にも、10mライン付近でのマイボールラインアウトから展開、WTB加藤匠朗(2年,関西学院)が巧みなステップでディフェンスをかいくぐり中央にトライを決めた。

追う大体大は16分、相手ゴールライン目前の攻防でNo8マウ・シオネ(1年,高知中央)が押し込みトライを返す。しかし、関学大は24分にLO藤井崇弘がトライ、19-5とリードして前半終了。

後半も関学大が先手を取る。10分にPG成功、15分にはBK展開からSH橋詰学(4年,天理)が密集のサイドに押し込んだ。さらに22分には縦につないでLO入江元気(3年,八幡)が、33分には横に展開してLO野矢健太郎(2年,石見智翠館)がトライ、41-5と差を広げる。

大体大は37分に中央に押し込み、44分にもモールからいずれもHO清水頼仁(3年,京都成章)がトライを決めるもゴール失敗後に試合終了。関学大が48-17で勝利し、Aリーグ残留となった。

注目ポイント

関学大は、負けられない試合を堅い試合運びで勝ちきった。とくに前半のペナルティはゼロ、高い集中力で相手にスキを与えなかった。2トライの藤井崇弘はルーキー、キレのあるランを見せたWTB加藤匠朗は2年生、多くの下級生が経験を積み成長した。悔しいシーズンとなったが、来季に向けての好材料は多い。

大体大は健闘したものの、ディフェンスの出足がよくないときに突破され、トライを許してしまった。今季のAリーグで優勝は京産大、ともに2006年の大学選手権ベスト4に進出し国立競技場で戦ったチーム。明暗が別れたが、京産大の活躍はモチベーションになるはず、来季こそAリーグへの切符を勝ち取りたい。

 

摂南大学(A7位) 69-29 龍谷大学(B2位)

試合は開始1分、摂南大がマイボールラインアウトから速い球回しで展開、CTB東将吾(3年,芦屋学園)が抜け出して中央にトライ。さらに9分24分にもトライを加えて21-0トリードを広げる。対する龍谷大は29分、ゴールライン目前のラックから速いフラットパスがWTB森岡宏文(4年,大産大附)に渡りインゴールに押さえた。

摂南大は、40分にWTBテビタ・タイ(4年,トゥポウC)の突破からFBヴィリアミ・ツイドラキ(4年,ラトゥナブラ)がトライを決めるなど得点を加える。追う龍谷大は44分に中央から左へ展開、大外で待つWTB森岡宏文につないでトライを返した。摂南大が31-12とリードして前半を折り返す。

後半は龍谷大が攻勢に出る。後半2分、モールをコントロールしながらHO大畑龍平(4年,桃山学院)が抜け出してトライ、11分にもトライとゴールも決まって14点差に迫る。

しかし、摂南大は後半20分以降にWTBテビタ・タイの2トライなど、さらにトライを加えて突き放す。龍谷大はロスタイムにFB嶋大輝(4年,大阪桐蔭)がトライを返すも、摂南大が69-29で勝利、Aリーグ残留を決めた。

注目ポイント

摂南大は、WTBテビタ・タイをスルーしてCTB東将吾が先制トライを決めたが、中盤以降は留学生にボールを持たせてのトライが増えた。なお、Aリーグ残留を置き土産として、主将FL隈本添太(4年,京都成章)や副将FBヴィリアミ・ツイドラキらスタメン9人を含む4年生が去る。PR梁起繁(1年,大阪朝鮮)やSO大津直人(1年,常翔啓光学園)らルーキーの活躍もあったが、メンバーの底上げが急務となる。

龍谷大のほうは、常にリードされる苦しい展開となった。15年ぶりのAリーグ昇格は逃したが、速いフラットパスは効果的で今後も使っていきたい。ただ、この試合のスタメンのうち12人が4年生、来年は世代交代の重要な年となる。

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