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ラグビー日本代表は外国出身選手が増えたから強くなったのか

快進撃を続けるラグビー日本代表は、ワールドカップ初のベスト8、世界ランキングは過去最高を更新する6位となった。あと7時間もすれば、いよいよジャパンが未体験の準々決勝の笛が吹かれる。

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一方で、日本代表に外国出身選手が増加していることへの賛否が聞こえてくることがある。規定に該当する選手が選ばれているとはいえ、多すぎるのはどうか、極端に言うと全員が外国出身の選手となったらどうか。難しい問題ではある。

ラグビー日本代表は外国人出身選手が増えたから強くなったのか」と言われたら、その通りとしか言いようがない。ただ、もし多くの人がフィジカル面で外国出身選手がカバーしていることが最大の要因と考えているとしたら、私の意見は違う。最大の要因をあげるとするならメンタリティではないだろうか。

かつて平尾ジャパンは外国出身選手を代表に呼び、マコーミック選手を主将とした。このときは賛否というよりも圧倒的に批判が多かったが、平尾誠二さんが語ったのは「外国出身選手は理屈抜きに勝ちにこだわる」ということ。さらには「こういった外国出身選手とともに代表としてプレーすることが、貴重な経験となっている」と話されていた。

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当時、1999年のワールドカップに挑んだ平尾ジャパンは、マコーミック主将やジェイミージョセフ現HCをはじめニュージーランド出身の選手が5名、フィジー出身が1名だった。ニュージーランド出身だろうがフィジー出身だろうが、国を背負って代表として戦うのは同じことのように思えるが、同じではない。

日本の場合、日本を代表するのは科学技術であったり大企業もそう、ノーベル賞受賞者も世界で6番めに多い。スポーツではラグビー以外の競技で、世界一や金メダルを多数獲得している。それに対して、ニュージランドやフィジーでは世界の注目を集めるものといえば、一番はラグビーだろう。だから、彼らにとってラグビーの代表に選ばれることは、数あるスポーツのうちの一つの代表ではなく、まさに国を代表する意識で戦っているのではないだろうか。

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それでも、みんな頑張って戦っているのに違いはあるのかと感じる人もいるかもしれない。一緒に練習し一緒に試合に出ていると、諦めずにボールを追う人と諦めつつ一応追いかけている人はすぐにわかる。自分が諦めずにやっているつもりでも、もっとやれるということに気づくことがある。

サッカーの話で恐縮だが、アラフォー以上の世代なら日本代表でラモス選手が周囲を鼓舞する声をかけていた姿を覚えておられるだろう。意識の差に苛立ちがあったのではないだろうか。また、相撲界で外国人力士が活躍しているのも、メンタリティの違いなのかもしれない。

しかし、日本代表の選手たちは、プール戦の結果からすでに十分なメンタリティを持ちあわせているに違いない。さらには、これだけの国民が応援してくれていて、もはやたかがラグビーではなくなっている。

7時間後が楽しみでしかない。

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