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大学選手権4回戦 結果 … 明治大 同志社 日本大 慶応大が準々決勝へ

概要

2021-2022年の「第58回 全国大学ラグビーフットボール選手権」4回戦が、12/18(土)に秩父宮ラグビー場で2試合、花園ラグビー場で2試合が行われた。

その結果、明治大学同志社大学日本大学慶應義塾大学が勝利し、12/26(日)に行われる準々決勝に進出することが決まった。

秩父宮ラグビー場
明治大学(対抗戦3位) 11:30 早稲田大学(対抗戦2位)
帝京大学(対抗戦1位) 14:00 同志社大学(関西4位)

熊谷ラグビー場
日本大学(関東リーグ戦2位) 11:30 京都産業大学(関西1位)
東海大学(関東リーグ戦1位) 14:00 慶應義塾大学(対抗戦4位)

トーナメント表や大会全体の情報は次の通り。

daigakurugby.hatenablog.com

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12/18(土) 4回戦

近畿大(関西2位) 10-13 慶応大(対抗戦4位)

試合のほうは、両チームともなかなか得点できず迎えた前半23分、慶応大SO中楠一期(3年,國學院久我山)が約30mのPGを成功させる。対する近畿大は、直後の25分にWTB宮宗翔(4年,大阪桐蔭)が抜け出してゴールライン目前に迫るもトライならず。33分にも左の大外からWTB宮宗翔がゴールラインに迫るもノットリリースザボールでチャンスを逃す。前半の得点は慶応大のPGのみ、慶応大が3-0とリードして前半終了。

後半は3分の慶応大、敵陣でのラックからSH小城大和(1年,北嶺)は左側のFL今野勇久(3年,桐蔭学園)へ、その間に走り込んできたFB山田響(2年,報徳学園)へ折り返すと、相手ディフェンスを抜けてそのままインゴールに飛び込んだ。

追う近畿大は16分、ペナルティからのリスタートでキックパス、空いていた右のスペースでWTB植田和磨(1年,報徳学園)がキャッチしトライを決めた。慶応大は23分、PGを決めて13-5とリードを8点に広げるも、近畿大は23分にPR辻村翔平(4年,長崎南山)が左隅に押し込んだ。

残り時間がわずかとなった後半39分、近畿大CTB福山竜斗(4年,天理)はPGを狙う。ハーフウェイラインやや手前の距離のあるキック、成功し同点で試合が終わればトライ数で準々決勝進出が決まる。しかし、ゴールならず、慶応大が13-10で勝利し昨年に続いて関西勢を破っての準々決勝進出となった。

ポイント

近畿大は、前半にチャンスをつくるもトライを取り切れなかった。しかし、関西2位ながら初戦が秩父宮というアウェイでの戦いの中、慶応大の1トライを上回る2トライを決めて実力を示した。

近畿大の唯一の勝利は2002年で、明治大に対し前半を終えて12点のビハインドを逆転して48-45で勝利した。このときは4年連続の出場、2年生以上の全員が大学選手権を経験しているという年だった。No8ながらキックパスを繰り出すなど小技もこなす古寺直希(1年,石見智翠館)や関西のトライ王WTB植田和磨(1年,報徳学園)らルーキーの活躍もめざましく、来年も近畿大に注目したい。

慶応大のほうは、最初の交替が後半36分、早慶戦秩父宮の大観衆を経験しているだけに、心身ともに余力があったか。近畿大のラストプレイはスローフォワードとなりノーサイドを迎えたが、近畿大の単純なミスというより慶応大の出足のよいディフェンスが効いたように見えた。FL山本凱(4年,慶応)を欠いての戦いとなったが、ディフェンスは十分に機能した。

 

日本大(関東リーグ戦2位) 41-22 日体大(対抗戦5位)

試合は前半4分、日本大が22mライン上でのラックから右の狭いサイドをWTB水間夢翔(3年,佐賀工)がライン際を走り抜けて先制トライ。10分にはハーフウェイライン付近のマイボールラインアウトから展開、2人飛ばしのパスをCTBフレイザー・クワーク(4年,開志国際)がつかんで抜け出し、最後はNo8シオネ・ハラシリ(4年,目黒学院)がインゴールに押さえた。

対する日体大は13分、相手ゴール前に攻め込むと、人数の少ない左サイドへつないでLO伊藤拓哉(2年,東京)がトライを返す。さらに15分にWTBクリスチャン・ラウイ(4年,日体大柏)がハーフウェイラインから力強くもキレのある走りでディフェンスをかわしてトライ、20分にも相手陣10mライン付近でルーズボールを拾ったWTBクリスチャン・ラウイがトライを決めた。日本大は27分にラインアウトモールからトライを返して、17-17の同点で前半を折り返す。

後半に入ると、7分10分と日本大がラインアウトモールからトライでリード。追う日体大は18分、ゴール前に攻め込むとWTB鈴木颯(3年,豊多摩)がインゴールに飛び込んだ。日本大は21分、No8シオネ・ハラシリが左サイドライン際を走って大きくゲイン、内に折り返しFB普久原琉(3年,コザ)がトライ。さらに35分にもトライを加えた日本大が41-22で勝利、3年連続で初戦を突破した。

ポイント

日本大は、前半に逆転されてから後半にかけて3連続でラインアウトモールからのトライ、リーグ戦からの強みを発揮し逆転に成功した。また、個々の能力は高くとも個人技での突破は難しいものだが、柔軟な動きができるFB普久原琉(3年,コザ)が絡んでくるとタメや変化が生まれてトライに結びつく。

日体大のほうは、WTBクリスチャン・ラウイの活躍もあり一時はリードするも、日本大のモールを止めることができなかった。ただ、3本ともモールを内に寄せなかったために、結果的にコンバージョンキックによる追加得点を阻んだ格好になった。これで日体大の2021シーズンは終わったが、強力な4年生が揃う勝負の年に大学選手権出場を果たし、チームに貴重な経験をもたらした。

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大東大(関東リーグ戦3位) 29-31 同志社(関西4位)

試合のほうは同志社が先制、前半8分にラインアウトモールからHO西濱悠太(2年,東福岡)がトライ。さらに13分、今度は敵陣深くでのマイボールラインアウトからすぐに展開、逆サイドライン際のWTB大森広太郎(3年,茗溪学園)にパスが通りインゴールに飛び込んだ。17分には自陣からのカウンター、FB山口楓斗(4年,東海大福岡)がキレのあるステップでディフェンスをかわし相手陣22mへ、中央から左へ展開しWTB和田悠一郎(4年,東海大仰星)がトライ。さらにラインアウトモールからトライを加えた同志社は20-0とリードを広げる。

追う大東大はここから反撃、26分にラインアウトモールからサイドを突き最後はLO塩見成梧(3年,御所実)が押し込むも、コンバージョンキックに猛然とダッシュしたWTB大森広太郎がチャージ。しかし、続く32分には相手陣10mライン付近でパスを受けたCTB戸野部謙(3年,岐阜工)が抜け出し、相手ディフェンスを振り切り左中間にトライ。同志社が20-12とリードして前半を終える。

後半は13分の大東大ラインアウトモールからラックになるも、No8リサラ・キシナ・フィナウ(1年,青森山田)が持ち出し左隅へトライ。このあと同志社がPGを成功するも、大東大が26分に同志社ドロップアウトのキックのこぼれ球をPR松山青(2年,岐阜工)が押し込みゴールも決まって逆転。

同志社は29分にPGで再逆転すると、37分にはゴール正面のラックから左へ展開、WTB大森広太郎がライン際を駆け抜けてインゴールに飛び込んだ。同志社は31-24とリードを7点にする。そしてロスタイムの大東大ラインアウトモールからHO酒木凛平(4年,御所実)が押し込み2点差に迫る。入れば同点でゴール数で準々決勝へというコンバージョンキックはわずかに外れ、同志社が31-29で勝利、準々決勝進出となった。

ポイント

大東大は、関東リーグ戦ではディフェンスの改善から復活につなげてきただけに、序盤で4トライを奪われることは考えられなかっただろう。しかし、後半に一時は逆転、ロスタイムのコンバージョンキックで同点に追いつくチャンスを得るまで同志社を追い詰めた。昨年は関東リーグ戦6位に沈んだが、復活を印象づけた。

同志社のほうは、堅いモールでトライにつなげるなど、サイズで劣ることを感じさせないFWの頑張りが試合をつくった。また、WTB大森広太郎やFB山口楓斗などBK陣も躍動、課題はあるものの光るプレイも多い試合となった。同志社の準々決勝はベスト4となった2016以来、秩父宮での試合も2016以来、相手は昨年棄権でなし得なかった帝京大との対戦となる。

 

明治大(対抗戦3位) 27-17 天理大(関西3位)

試合は、開始直後から明治大が攻め込むもトライならず。前半9分、相手陣に入った天理大はPGを決めて先制、一方の明治大は12分にほぼ正面でのPGを失敗。

しかし、13分の明治大はマイボールスクラムからSH飯沼蓮(4年,日川)が持ち出しそのまま右中間にトライ。26分にはゴール中央に攻め込むと、CTB廣瀬雄也(2年,東福岡)がキックパス、WTB松本純弥(4年,佐賀工)がキャッチしてインゴールに押さえた。さらに41分にはゴール中央から左へ展開、CTB江藤良(4年,報徳学園)がトライ、17-3と明治大がリードして前半終了。

後半は17分、明治大がゴール中央のマイボールスクラムを押すと天理大がコラプシング、ペナルティトライにより24-3とリードを広げる。追う天理大は18分、相手陣22mライン付近からの連続攻撃で最後はFL服部航大(4年,天理)がトライを返す。21分には自陣10mライン手前からWTBナイバルワガ・トマシ(1年,秋田工)がディフェンスを次々にかわして走りきりトライ、ゴールも決まって7点差に迫る。

しかし、33分に明治大はCTB齊藤誉哉(3年,桐生第一)がPGを成功。このあと天理大が相手ゴール寸前まで攻め込むもトライには至らず、明治大が27-17で勝利し準々決勝へと駒をすすめた。

ポイント

明治大はスクラムでプレッシャーをかけて優位に立ちリードを広げたが、後半は1トライにとどまった。前半のCTB廣瀬雄也のキックパスのように、変化をつけた攻撃を織り交ぜることでトライは増えるか。ハーフ団を中心に何かやってくるかもしれないと思わせられると、相手の穴が大きくなる。次は対抗戦で敗れている早稲田戦、5年連続の4強以上進出を目指す。

天理大のほうは、セットプレイで苦戦しながら一時は7点差まで追い上げた。LOアシペリ・モアラ(4年,日本航空石川)を中心にFL小林真陽(4年,天理)やFL服部航大(4年,天理)の働きもあり終盤チャンスをつかんだが、トライはならなかった。昨年の歓喜の初優勝から約1年、ベスト4以上は3年連続で途切れたが、3年生以下には貴重な自身と経験になったはずだ。

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