概要
2023年12月3日(日)、国立競技場において第99回の早明戦が行われる。ここまでの両者の成績はともに5勝1敗、勝点は明治大が25、早稲田が24。現在は無敗で勝点29の帝京大がトップに立つ。
昨年は、明治大が先に3トライ、早稲田が2トライを返して7点差に迫るも、後半明治大が突き放して35-21で勝利している。
今季の明治大
序盤の明治大は危なげなく勝利を重ねたが、3戦目の筑波大に後半立ち上がりにリードを許すも以降は4つのトライで逆転し突き放しての勝利。また、5戦目の慶応大には、前半に30点以上の差をつけて圧倒するも、後半は4トライを許し点差を詰められた。
全勝対決となった6戦目の帝京大戦だったが、11-43で完敗。前半11分のラインアウトモールによるトライが唯一のトライとなった。主将CTB廣瀬雄也(4年,東福岡)を欠いての試合となり、怪我の状況が心配される。
9/ 9 明治大87- 7青学大
9/24 明治大93-12成蹊大
10/ 1 明治大40-21筑波大
10/15 明治大97- 7立教大
11/ 5 明治大66-40慶応大
11/19 明治大11-43帝京大
今季の早稲田
早稲田の初戦は立教大に快勝。2戦目の筑波大戦は大接戦、前半を21-21の同点で終えると後半もトライを奪い合う。後半31分にインターセプトからトライを奪われ3点差に迫られるも、なんとか逃げ切っての勝利となった。
5戦目は4戦全勝同士で帝京大戦、SO野中健吾(3年,東海大仰星)をCTBに主将CTB伊藤大祐(4年,桐蔭学園)をFBに下げたことが功を奏したか、敗れはしたが昨年大敗した相手に接戦を演じた。6戦目は例年大接戦となる早慶戦だったが、終始2トライ以上の差をつけながら危なげなく勝利。
9/10 早稲田64- 7立教大
9/24 早稲田38-35筑波大
10/ 1 早稲田70- 7成蹊大
10/14 早稲田54-17青学大
11/ 5 早稲田21-36帝京大
11/23 早稲田43-19慶応大
両者の比較
過去20年の勝敗
以下は年度ごとの対戦結果、その年の対抗戦勝敗分の順、丸数字は対抗戦の最終順位(勝敗が並んだ場合に同順位としたもの)。
2003 早29-17明 早7-0① 明4-3③
2004 早49-19明 早7-0① 明5-2②
2005 早40- 3明 早7-0① 明4-3④
2006 早43-21明 早7-0① 明5-2②
2007 早71- 7明 早7-0① 明5-1-1②
2008 早22-24明 早5-2② 明3-4⑤
2009 早16-14明 早6-0-1① 明3-4⑤
2010 早31-15明 早6-1① 明6-1③ (選手権:早74-10明)
2011 早18-16明 早5-2② 明5-2②
2012 早32-33明 早4-3④ 明6-1①
2013 早15- 3明 早6-1② 明3-4⑤
2014 早37-24明 早5-1-1② 明5-2③
2015 早24-32明 早4-3④ 明6-1①
2016 早24-22明 早6-1② 明5-2③
2017 早19-29明 早5-2② 明5-2②
2018 早31-27明 早6-1① 明5-2③ (選手権:早27-31明)
2019 早 7-36明 早6-1② 明7-0① (選手権:早45-35明)
2020 早14-34明 早6-1② 明6-1①
2021 早17- 7明 早6-1② 明5-2③ (選手権:早15-20明)
2022 早21-35明 早5-2③ 明6-1②(選手権:早27-21明)
2003-2012の10年間は、早稲田が8勝、明治大は2勝。しかし、2013-2022の10年間は、早稲田5勝、明治大5勝となっている。長い歴史で見ると、どちらかが数年単位で連勝していることが多いが、過去10年では3連勝はない。
さらには、近年では大学選手権での対戦が2018,2019,2021,2022年度と4度あったが、早明戦で負けたほうが大学選手権で勝っており、近年の力関係が拮抗していることがうかがえる。
<参考>早明戦全記録
今季の6戦目までのデータ比較
ここまで6戦の明治大と早稲田、参考に帝京大も含めたデータを見てみると、攻撃面の数字で明治大が上回っていることがわかる。得点を1試合平均にすると、明治大が65.7点、早稲田が48.3点と17点の開きがある。ただ、コンバージョンゴールの成功率は、73.3%の明治大に対し83.7%の早稲田が上回る。
さらに、Fの数字で表される反則の数はともに少ない。一方で被Fで示す相手の反則数については、明治が上回り相手にプレッシャーを与えていると考えることもできる。
明治大 勝点25 得点394 失点130 60T 44G 2PG F40 被F67
早稲田 勝点24 得点290 失点121 43T 36G 1PG F41 被F56
帝京大 勝点29 得点432 失点37 66T 48G 2PG F49 被F56
FW平均体重
FW平均体重については、まだメンバーが発表されていないため、前節のFW平均体重を見てみたい。両チームとも試合ごとに変化が少なく、最終戦でも大きく変わらないものと考えられる。
明治大 102.5kg
早稲田 103.0kg
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時間帯別トライ数
ここまでの6戦の時間帯別トライ数、失トライ数を調べた。
トライ数
明治大50(前半22、後半28)
早稲田35(前半12、後半23)
失トライ数
明治大10(前半 6、後半 4)
早稲田13(前半 4、後半 9)
明治大
明治大が数多くトライを奪ったのは、前半後半ともに終盤の31分以降。失トライのほうも、同じく前後半とも終盤にやや多くなっている。ただ、前後半とも31分以降はロスタイムを含んでいることを考慮すると、時間帯にはあまり偏りがないと言える。
早稲田
早稲田のトライは、前半の開始10分間でわずか2トライ、その直後の10分間で最多の9トライを奪っている。相手の出方を見つつ攻撃へ転じるなど、ゲームプランによるものもあるだろう。失トライのほうも、前半11分から20分はトライを許しておらず早稲田が強い時間帯と言える。
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まとめ
前へが代名詞の「縦の明治大」に対して、展開力で勝負する「横の早稲田」と言われることもある。しかし、近年は両チームともFWBKのバランスがよく攻撃も多彩なので、それほど特徴が際立つものではなく高い総合力を持っている。
明治大は、主将CTB廣瀬雄也(4年,東福岡)を欠いて臨んだ帝京大戦では苦戦、わずか1トライに終わった。早明戦でも廣瀬雄也を欠くとなれば、FB池戸将太郎(4年,東海大相模)が代わって入りキーマンとなるか。
早稲田のほうは、対抗戦前半戦は苦戦する試合もあった。しかし、5戦目の帝京大戦以降はCTB野中健吾(3年,東海大仰星)、FB伊藤大祐(4年,桐蔭学園)という布陣となり好ゲームを展開、チームとしては上がり目か。
今季の早明戦は12/3(日)、2日前の12/1(金)に発表される出場メンバーに注目したい。