概要
関西大学ラグビーAリーグの順位決定戦は、11/29(日)に1-4位決定戦の2試合が行われた。5-8位決定戦は、近畿大の辞退により5,6位決定戦の1試合のみが宝ヶ池球技場において有観客で行われる。
優勝を決める一戦は、天理大が同志社を破り5年連続11回目の優勝を遂げた。関学大に勝った京産大は8年連続34回目の大学選手権出場。確定した順位は次の通りとなる。
1位 天理大(odd1位)
2位 同志社(even1位)
3位 京産大(even2位)
4位 関学大(odd2位)
5位or6位 摂南大(odd3位)or立命館(even3位)
*近畿大が順位決定戦を辞退したため、摂南大はodd4位から3位に繰り上げ。そのため、5位決定戦は摂南大と立命館、7位決定戦は近畿大の辞退で試合は行わず7位関西大、8位近畿大が確定。
関西大学ラグビーAリーグ 対戦表
11/29(日)
関学大(odd2位) 21-28 京産大(even2位)
リーグ戦最終戦で敗れながらもいい戦いをした関学大に対し、思うようなプレイができなかった京産大との戦い。
試合が動いたのは前半11分、関学大が相手陣深くでのラインアウトモールから展開しSO呉嶺太がゴール中央に先制トライを決める。16分、今度は京産大が同じくラインアウトモールからチャンスをつくりNo8ヴェア・タモエフォラウが押し込んでトライを返す。さらに京産大は、相手ゴール前でのマイボールスクラムから何度もサイドを突くと、最後はFL城間賢が押さえて逆転、14-7とリードして前半を終えた。
後半先に点を取ったのは京産大、10分に相手ゴール前でのマイボールスクラムで関学大がペナルティ、速攻でNo8ヴェア・タモエフォラウがインゴールに飛び込んだ。21分には関学大がラインアウトモールから押し込んでHO竹内海斗がトライ。ここまで両チームともFWで押し込む展開からのトライであったが、34分に相手陣でボールを奪った京産大は、10mライン付近でボールを受けたCTBニコラス・ホフアが抜け出してトライ。42分に関学大がHO竹内海斗が押し込んでトライを返すも、京産大が28-21で勝利、8年連続34回目の大学選手権出場を決めた。
関学大の注目ポイント
第3節で天理大に健闘した関学大だったが、試合後の主将HO竹内海斗の「天理大戦のほうが気持ちが入っていた」というコメントの通り、順位決定戦に向けて自信を力に変えることができなかったようだ。しかし、昨年の大学選手権での明治大戦に続いて、先週の天理大戦での戦いぶりは後輩たちの記憶に刻まれたことだろう。
京産大の注目ポイント
京産大は、4週連続4戦目の試合を前にして週初めの練習で激しい練習を敢行した。心身ともに疲れのあることはわかった上で、体を休めるよりも激しいプレイを体に染み込ませることを優先。これが京産大スタイルであり、順位決定戦ではひたむきなプレイを続けることにつながった。
なお、関西3枠のうち3位となり8年連続で大学選手権出場となり、天理大の7年連続を上回る。今季を含めた8年間のうち実に5回が出場枠すれすれでの出場となっているが、2016は関東大学対抗戦3位枠で出場の明治大に勝利している。
*3枠の年に3位:2016,2018,2020
4枠の年に4位:2019
5枠の年に5位:2015
参考記事
ラグビーマガジン 2021年 01 月号 [別冊付録:ラグビーカレンダー2021]
天理大(odd1位) 14:05 同志社(even1位)
リーグ最終戦では関学大にやや苦しめられた天理大、京産大戦で要所で良いプレイが飛び出し快勝した同志社が優勝を争う。
先制は天理大、前半10分にラインアウトから相手ゴール前に攻め込むとWTBマナセ・ハビリがトライを決める。16分にはPR谷口祐一郎が大きくゲインするとLO中鹿駿にパスが渡りトライ、23分にはラインアウトモールからHO佐藤康がインゴールに飛び込んだ。さらには、33分にもトライを加えた天理大は、前半終了間際に攻め込まれるも守りきって26-0と大きくリードしたまま前半を折り返す。
後半も天理大が攻め込み、5分にHO佐藤康がトライ。その直後の8分、同志社はBKでゲインを重ねて最後はFL中尾泰星がトライを返す。しかし、天理大は20分にN08山村勝悟が相手ディフェンスをかわしてトライ、24分には敵陣10mライン付近からダミーパスを見せて抜け出したSO藤田大輝がトライを加えた。少しでも差を縮めたい同志社は、33分にBK展開でゲインしPRファイアラガ望サムエルが相手ディフェンスを引きずりながらトライ、43分にPR栗原勘之がトライを決めるが、天理大が54-21で勝利、5年連続全勝優勝を遂げた。
天理大の注目ポイント
天理大は、前半から出足の早いディフェンスで同志社に思うように攻撃をさせず、前半終了間際のピンチを守りきって流れを渡さなかった。FB江本洸志のけがによる松永拓朗がFB、SOに藤田大輝という布陣は十分に機能しており、また、4年生の多いメンバーは気持ちでも負けることはなかった。
大学選手権では関西1位は準々決勝からの登場となり、優勝と同時に1週間の時間を手に入れたことになる。1年生からレギュラーだった4年生が中心メンバーとなっている今季は勝負の年、初の日本一を狙う。
同志社の注目ポイント
同志社のほうは、前半は相手の激しいディフェンスに浮足立ったように見えた。ペナルティやミスが目立つのは平常心でないということ、無心でやるべきことをこなすという気持ちに戻るのに時間がかかったか。4週連続の試合は体もきついが心もきついはず、結果論だが途中出場で闘争心を見せていたPR栗原勘之ら4年生をスタメンで使うという選択肢もあったかもしれない。
関西2位での大学選手権出場となり対戦相手は関東大学対抗戦4位、帝京大、慶応大、筑波大のいずれかと戦うことになる。昨年は3回戦で筑波大と対戦し、先に2トライを奪われて追いつくことはなかった。今季も苦しい試合は前半でもたついており、試合の入りが鍵になる。
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