帝京vs早稲田 / 結果と注目ポイント … 第57回大学選手権準決勝 第一試合
概要
「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」準決勝は、1/2(土)に秩父宮ラグビー場で2試合が行われた。そのうち、第一試合の「帝京大学vs早稲田大学」について見ていく。
トーナメント
準決勝第一試合:帝京大学27-33早稲田大学
大学選手権では第50回(2013-2014)以来の対戦。関東大学対抗戦では、2011から2018まで帝京大学が8連勝、2019,2020は早稲田が勝利している。
準々決勝での帝京大学は、東海大学とのロースコアの接戦となるもFWで優位に立ち14-8と勝ちきって準決勝へと駒をすすめた。対する早稲田大学は試合の入りから大外まで展開、慶應義塾大学のディフェンスを振り切り先に3つのトライを決めて逃げ切った。
前半
先制したのは帝京大学、前半4分にFB奥村翔が正面からのPGを決めた。6分には早稲田大学が相手ゴールラインまであと10mのところでラインアウトモール、そのままHO宮武海人が押し込んで逆転。帝京大学はPGを返すが、早稲田大学は24分にもHO宮武海人がトライ、33分にもFB河瀬諒介がディフェンスラインを抜け出してトライ、ゴールも決まって21-6トリードを広げる。
差を詰めたい帝京大学は前半終了間際に相手ゴールでFWで勝負すると、相手の反則から認定トライ、後半に向けて期待感をもたせるトライとなった。早稲田大学のリードは8点となって、21-13で前半を終えた。
後半
後半に入って先に点をとったのは早稲田大学、7分に自陣10mライン付近右サイドから左サイドに展開、最後は大外で待つWTB古賀由教にボールが渡りトライを決めた。13分、今度は帝京大学が相手ゴール前のラックから走り込んできたCTBニコラス・マクカランへつなぐと、ディフェンスを振り切ってそのままインゴールに飛び込み、再び8点差に。
突き放したい早稲田大学は、22分にハーフウェイライン付近から展開すると、FB河瀬諒介が抜け出してトライを決める。帝京大学は得点を奪えないまま時間が過ぎていき、ようやく38分に相手ゴール前のラックから最後はCTB尾崎泰雅がトライ、ゴールも決まって1トライ1ゴール以内の6点差に迫る。しかし、このまま試合終了、早稲田大学が33-27で勝利。
帝京大学の注目ポイント
関東大学対抗戦で3敗した帝京大学は、後半にペナルティが増えて得点力が落ちる傾向があった。大学選手権準々決勝からは、経験豊富な選手の復帰やスタメンだったSH土永雷をあとから投入するなど後半の失速はなくなった一方で、爆発力はやや鳴りを潜めたか。
後半は30分頃までにトライを取ることができれば逆転の可能性は高まるところ、選手交代なども含めてトライを狙ったが取り切れなかった。
序盤奮闘したWTBミティエリ・ツイナカウヴァドラは、出血もありキック処理に不安を見せたが経験を積むと相手に脅威を与える存在になりそうだ。CTB尾崎泰雅は関東大学対抗戦の劣勢の試合でもトライを決めるなどトライへの嗅覚と身のこなしは並外れたものがあり、この試合でもトライを決めてみせた。
早稲田大学の注目ポイント
ここのところ早稲田大学がビッグゲームで勝つときは、昨年の大学選手権決勝で明治大学に31点をリードしたことに代表されるように先行逃げ切りの印象がある。この試合でも先に3つのトライを奪って試合を優位にすすめた。
前半のトライの2つはラインアウトモールからいずれもHO宮武海人が押し込んだが、体を密着させた強固なモールは相手の強力FWをものともしない洗練されたものだった。以降の3つのトライは快足BKによるもの、サイドいっぱいまで展開する中で大外に控えるWTB古賀由教、後ろから飛び出すFB河瀬諒介らが躍動した。
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