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天理大学 vs 早稲田大学 / 結果と注目ポイント … 第57回 大学選手権決勝

概要

「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の決勝は、1/11(月・祝)に秩父宮ラグビー場で行われた。

昨年も国立競技場で行われた決勝戦明治大学vs早稲田大学」は57,345人の観衆を集めたが、非常事態宣言を受けて今季は販売済みの17000枚が有効とされた。実際に入場したのは11,411人だった。

 

トーナメント

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大学選手権 2020-2021

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決勝:天理大学55-28早稲田大学

第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の決勝は、天理大学早稲田大学との対戦となった。昨年度の準決勝でも顔を合わせており、そのときは早稲田大学が52-14で勝利している。

ここまでの天理大学は、準々決勝では流通経済大学に78-17、準決勝では明治大学に41-15と快勝している。一方の早稲田大学は、準々決勝で慶應義塾大学に29-14、帝京大学には33-27と勝利し、決勝で初めて関東大学対抗戦以外のチームと対戦することになった。

メンバーのほうは、天理大学はFB江本洸志が復帰、早稲田大学はCTB平井亮佑が復帰し、それぞれスタメンで出場。

前半

試合のほうは、前半3分、天理大学が相手ゴール前でボールを奪うと中央から右へ展開、CTB市川敬太が先制トライ。続く10分、相手ゴールまで10mというところでモールからラックへ、LOアシペリ・モアラが抜け出してインゴールに飛び込んだ。これまでの戦いと同様に開始10分までにトライを取ってみせた。

対する早稲田大学は、20分にCTB長田智希が抜け出してゴール目の前に迫ると、PR小林賢太が押し込んでトライを返す。このあと、さらに攻め込む天理大学がペナルティを得るとPGを選択、17-7と10点差となる。

攻撃の手を緩めない天理大学は、ラインアウトモールから前進、ゴール直前のラックからSH藤原忍の速いパスを受けたCTB市川敬太がトライ。さらに33分、ラインアウト最前列でボールをキャッチすると中央より展開してからモールを形成、ペナルティでゴール前5mのマイボールスクラムからCTBシオサイア・フィフィタ、CTB市川敬太がこの日3つめのトライ。天理大学が29-7とリードして前半を終える。

後半

後半も最初のトライは天理大学、6分に相手陣5mでの相手ボールのスクラムを押し込んでこぼれたボールをSH藤原忍がトライを決めた。 これ以上離されたくない早稲田大学は、12分にCTB長田智希が大きくゲインしたあと展開、FB河瀬諒介が相手ディフェンスをかいくぐり右隅にトライ、22点差に戻す。

そして注目された次の得点はやはり天理大学、18分にSH藤原忍が大きくゲインすると、またもやCTBシオサイア・フィフィタからCTB市川敬太に渡りインゴールへ、市川敬太は4つめのトライ。24分にはCTBシオサイア・フィフィタのゲインから、最後はLOアシペリ・モアラがトライを奪う。

時間が徐々に少ななってきた後半27分、早稲田大学ハーフウェイライン付近でパスを受けたPR小林賢太が抜け出すと、巧みにパスダミーをはさんでSH河村謙尚へパス、そのまま飛び込んでトライ、ゴールも決まって29点差に詰める。

しかし、33分に天理大学はFB江本洸志がダメ押しのトライ、早稲田大学が40分にCTB伊藤大祐が切れ込んでのトライを決めるも、天理大学が55-28で勝利して初の大学日本一に輝いた。

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注目ポイント

序盤から天理大学の出足のよいディフェンスが目立ち、早稲田大学が受けにまわることとなった。その流れの中で、天理大学はチャンスを迎えるとトライまたはPGで得点を取り切り、これまでの勝ちパターンとなった。

受けにまわった早稲田大学は、精神的にもエリア的にも圧力を受けラインアウトでノットストレート、スクラムでのペナルティや大きく押し込まれてしまうこともあった。今季はゲームごとのプランを実行しながら勝ちを積み重ねてきた早稲田大学だったが、初めての他リーグのチームとの対戦でゲーム中に修正しきることができなかった。

天理大学のほうは、今季初対戦の関東大学リーグ戦の流通経済大学関東大学対抗戦明治大学との対戦の中で、ゲーム中の修正をせざるを得ない状況で戦い結果を出してきた成果が出たという面もある。

また、FB河瀬諒介をめがけてのキックも効果的だった。飛び出してこられると止めづらい相手に最初からボールをもたせることで守りやすくなったか。そして何より効いたのは、CTBシオサイア・フィフィタの突破役となりパスを回したこと、CTB市川敬太、LOアシペリ・モアラ、FB江本洸志のトライを演出した。

最後に

天理大学の優勝は関西では1984年の同志社大学以来であり、また天理大学はエリート選手が少ないチームでもある。そのため、関西のチームに自信や勇気を与えたほか、無名の選手たちにも希望を与えるものとなったのではないだろうか。

また、帝京大学の連覇のあと、明治大学早稲田大学天理大学と4年連続で違うチームが優勝することとなった。これは同志社大学の3連覇のあと以来のこと。連覇のあとには群雄割拠の時代が来るのかもしれない。

同志社連覇のあとは大東文化大学が台頭、その後の10年で3度の優勝と1度の準優勝を遂げた。ここから天理大学の時代がやってくるか。

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