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天理大学ラグビー部 小松節夫監督 … 「自律」を促す指導で大学選手権初制覇

2021年1月11日に行われた「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」決勝、天理大学早稲田大学を破り初優勝、就任26年目の小松節夫監督が宙を舞った。

ここまでの道のりはトントン拍子ではなかったが、学生日本一にまで登りつめたのは小松監督の揺るがぬ信念があったからにほかならない。「自由と責任」について考え「自律」につなげることの重要性など、身をもって体験したことを生かすべく実践してきたからであっただろう。

こういった信念に基づいた指導は、教育の現場にとどまらず仕事で上に立つ人にとっても必要とされるものである。しかし、「自律」を促す指導ができている大人が多いとは思えないのは、多くの大人自身がそういった指導を受けてこなかったからでもある。小松監督のこれまでの歩みを確認しながら、「自律」を促す指導を探ってみたい。

ラグビーマガジン 2021年 03 月号 天理初優勝  [雑誌] 

 

「しんどい3年間」への疑問

1963年に天理市に生まれた小松監督は、小学4年生でラグビーを始めると、天理中学時代には無我夢中でラグビーを楽しみながら近畿大会を制した。天理高校にすすむと、当時の多くの強豪校がそうであったように管理された練習によって「しんどい3年間」を過ごしたと言う。全国制覇はならなかったものの、高校3年次には主将を務めて高校日本代表にも選ばれた。しかし、この高校時代の経験が留学を決断するきっかけになったであろうとこは想像に難くない。

フランスでは、名門ラシン・クラブのジュニアチームで2年間を過ごした。ここでは試合は毎週あるものの、練習は週に1,2回しかなく練習のない日は各自で自主練習を行った。各自でフィジカルやスキルを上げて、何度かの練習で周囲と合わせていき、試合に臨むといった格好だ。日本での管理された練習とは全く違い「自律」が求められ、「自分で考えること」「自由な発想」を学んだ。

自由とは好き放題にすることではなく、自己責任によって行動するということである。「自由」が責任感や自律的行動につながることを学び体験した貴重な2年間となった。

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故・岡仁詩監督の同志社大学

帰国後、1984年に同志社大学に入学。同志社大学は1982,1983年と大学選手権を連覇しており、この年に3連覇を達成する。当時、そのチームを率いていたのが『型に学んで型にはまらず』と自由なラグビーを掲げる故・岡仁詩監督だった。同志社大学での4年間が、フランスでの経験を具現化し言語化していったのかもしれない。

岡監督は多感な時期に戦争を迎え、当時を「個人が国家という組織の中に埋没していた」と振り返る。終戦に伴って世の中が変わり、自分で考えることができていないことに気づいたという。それから、スポーツでも型に束縛されず自由な発想や創造によって発展できるという信念のもと、「こうしろ」とは言わずに選択肢を与えたり考えさせる指導にこだわってきた。

 小松監督自身が岡監督について言及している資料は見当たらなかったが、多くの記事に目を通すと幾分かの岡イズムを継承しているものと思われる。

<参考:教わり教え教えられ/岡仁詩 キリスト教文化センター│京都 同志社大学

東洋の魔女

ここで余談をひとつ。実施が危ぶまれている東京オリンピックだが、1964年に行われた最初の東京オリンピックにおいて、「東洋の魔女」で知られる女子バレーボールチームが球技初の金メダルを獲得した。「俺について来い」と引っ張る大松博文監督のもと、深夜におよぶような長時間に渡る猛練習の賜物であった。ちなみに、大松監督は第二次世界大戦インパール作戦からの数少ない帰還者でもある。

日本の歴史をつくった大松監督の指導ではあったが、有無を言わさぬ猛練習が正しいものという認識をもった人が多かったのかもしれない。岡仁詩流に言えば、「ひとつの成功例に束縛されてはならない」といったところだろうか。

第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会プログラム 

 

天理大学ラグビー部の指導へ 

大学卒業後、日新製鋼で5年間ラグビーを続けたあと、天理大学ラグビー部のコーチに就任する。古豪天理大学は大学選手権に29回目の出場、1970年代前後には13年連続で出場した時期もあった。しかし、小松監督がコーチとして就任した1993年というのは、大学選手権どころか1991年にAリーグ最下位で入替戦に敗戦、翌1992年はBリーグで2勝4敗1分の7位、入替戦で京都大学に26-29で敗れてCリーグへの降格が決まっていた。

Bリーグへは1年で復帰、1995年の監督就任のシーズンにはBリーグで全勝優勝、しかし入替戦で跳ね返された。挑戦を繰り返して、ついに2001年に11年ぶりのAリーグ復帰を果たす。このあと、2005年に21年ぶりの大学選手権出場、2010年には35年ぶりの関西リーグ制覇、さらには2011年には大学選手権準優勝を遂げるなど躍進を続けた。そして、今年の大学選手権初制覇である。

 

この間の指導については、10年の前のインタビュー記事によく表れている。例えば、選手の練習態度が悪い場合に干すことはせず、練習を真面目にやる選手とやらない選手で具体的にどういう差がでるのかを説明するという。小松監督は、全ての選手に試合に出せる出せないの具体的理由をもっている。

ほかにも、チームの決め事に従わなかったとしても、自分なりの考えを持ってのことであれば「よくやった」と評価する。選手の発想を尊重することも大切だし、外から見ていてはわからないグラウンドレベルならではの判断があるかもしれない。ただ、従わなかったことに対して叱ることはないが、なぜそうしたかの理由が言えるようであってほしいとのことだ。

rugby-rp.com

 

理想の上司

小松監督は、人当たりが優しく口調も穏やかだ。グイグイ引っ張るのではなく、自主性を重んじながらも選手をよく観察、必要なときには理を持って説明する。児童文学作家の故・灰谷健次郎さんの作品で言うところの「添う」という表現がしっくりくる。現代の若者への指導は叱らないことが求められるため、小松監督が企業におられたとしたら人気の上司となっていたのではないだろうか。

不景気にあっては、叱らずに丁寧に説明をすることは時間も労力もかかることであり、余計なコストと捉えることもあるかもしれない。小松監督のようなリーダーが脚光を集めることで、自主性を重んじて丁寧に説明することの価値を見直す人が増えることを望む。

第100回 全国高校ラグビー 選手権大会 決算号 (ラグビーマガジン2021年02月号増刊) 

 

参考URL

doyusha.jp

 

関連リンク 

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【予想】ベスト15 … 関西大学ラグビーAリーグ 2020

概要

2020年度の関西大学ラグビーは、期間短縮を余儀なくされた。それに伴い、8チームを4チームずつの2グループに分けて総当たり戦を実施、各グループの同順位同士が順位決定戦を行うこととなった。公式戦としては4試合である。

こういった状況にあって、例年通りにベスト15の選出があり表彰が行われるかは不明だが、個人的にベスト15に相応しいのではと思う選手を書いてみたい。

昨年までのベスト15は次の通り。

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ラグビーマガジン 2021年 03 月号 天理初優勝 [雑誌] 

 

ベスト15予想

FW フォワード

1 PR 谷口祐一郎 / 天理大4年

順位決定戦の同志社戦では、序盤にサイドアタックからのビッグゲインで直後のトライにつなげて関西5連覇を手繰り寄せた。視野が広いことから、動き出しのよさやランコースの見極めにつながっているのではないだろうか。

2 HO 竹内海斗  / 関学大4年

FWでどんどん勝負を挑んでいく関学大の核となっただけでなく、主将としてもチームを鼓舞し引っ張り続けた。4トライはリーグ最多タイ。

同じく4トライの佐藤康(天理大3年)、相手ゴール前でのモールやラックからのトライを奪う嗅覚に優れており、何度もインゴールに飛び込んだ。

3 PR 小鍛冶悠太 / 天理大4年

同志社戦ではターンオーバーからのビッグゲインもあったが、アタックのサポートなど地味なところでいい働きを見せ続けるプレイは健在。

4 LO 田中利輝 / 京産大4年

いち早くサポートに駆けつけて、献身的に体を張り続ける主将。2戦はFLでの出場となったが、プレイでチームに勇気を与えた。

ラインアウトの中心でもあった187cmの田中雄太郎(立命館4年)は、順位決定戦の摂南大戦で4トライをあげるなど活躍を見せた。

5 LO アシペリ・モアラ / 天理大3年

相手ゴール前ではディフェンスを引きずってでもゲインしたりインゴールに到達、天理大のFWの推進力となった。4番で1試合、5番で2試合、8番で1試合の先発出場で3トライ。

6 FL 中尾泰星 / 同志社4年

出足の早いタックルを繰り返すなど行動によってチームに影響を与える主将、天理大戦でのチーム初トライとなるアタックは鬼気迫るものがあった。

7 FL 松岡大和 / 天理大4年

頼れる主将は大きな声でチームを鼓舞し続けるだけでなく、タックルにサポートに倒れては起きる姿でもチームを引っ張った。

城間賢(京産大4年)は攻守に活躍、4戦で2トライをあげた。

8 No8 山村勝悟 / 天理大2年

アタックでは簡単に倒れず前に進むシーンが何度も見られた。タックルを受けても、もう一歩先へという意識が強く感じられる。

木原音弥(同志社3年)、ヴェア・タモエフォラウ(京産大1年)、庄司拓馬(立命館4年)ら好選手が多かった。

ラグビートップリーグ カラー名鑑2021【ポケット判】 (B.B.MOOK1514) 

 

BK バックス

9 SH 藤原忍 / 天理大4年

テンポよくフラットなパスを次々に放り込む一方で、隙あらば自ら抜け出す動きも素晴らしい。年々磨きがかかっており、3年連続のベスト15に相応しい。

10 SO 松永拓朗 / 天理大4年

多彩なBK陣のよさを引き出す正確なパスのほか、プレイスキッカーとしてもトップクラス。PGを含めたキックの成功率は82.1%と、昨年に続いて80%を超えた。

田村魁世(同志社3年)、西仲隼(京産大2年)、江良楓(立命館3年)らは判断もよく要所でキックを巧みに織り交ぜる、来年も楽しみな存在だ。

11 WTB 和田悠一郎 / 同志社3年

故障明けの京産大戦では、乱れたパスをキャッチしてのトライ、ハイパントのクリーンキャッチ、自らのキックを自らでチェイスしてのトライなど活躍が目立った。2戦2トライと出場は少なかったが、トライを期待されるポジションにだけに11番メインで出場した選手では最多トライであったため選出。

12 CTB 岡野喬吾 / 同志社1年

初戦の関西大戦はWTBで出場、ビハインドからのチーム初トライと後半に逆転トライを決めて勝利の立役者となった。次の立命館戦では、後半早々に10点差に詰め寄られた直後、相手キックをチャージして自らトライを決めるなど勝負を決める2つのトライを奪った。不安のあった序盤戦にチームを勢いづけたルーキーは、4戦全てフル出場して4トライ。

同じく4トライの山口魁生(立命館4年)、キレのあるランを見せる家村健太(京産大2年)らの活躍もあった。市川敬太(天理大4年)はサポートにまわるプレイが多く体を張った。

13 CTB シオサイア・フィフィタ / 天理大4年

今季は3戦で3トライ、昨年の7戦9トライに比べると物足りないようにも見える。しかし、自分で突破するだけでなく、パスも巧みにつなぐなどトライにつながる選択をすることでプレイの幅を広げた。

そのほか、キレのあるランの木田晴斗(立命館3年)や当たり役もランナーもキッカーも務めるヴィリアミ・ツイドラキ(摂南大3年)らのプレイも見応えがある。

14 WTB 山口楓斗 / 同志社3年

戦列に復帰した2戦目の立命館戦では、積極的な動きを見せてトライを決めたほか、キレのよいランからトライにつなげるなど前半から主導権を握るきっかけをつくった。3戦出場して2つのトライ。

土橋源之助(天理大4年)は4戦で2トライ、ライン際でキレのいいランを見せた。

15 FB 奥谷友規 / 関学大4年

全4戦フル出場、後方からの飛び出しで大きくゲインをするシーンが見られた。また、プレイスキッカーとしてもPG含めて16本のゴールを成功させており、その決定率は84.2%と非常に高い。

桑山太一(同志社4年)は4戦スタメンで、同じくキッカーを務めPG含め15本のゴールを決めて78.9%の成功率だった。

第100回 全国高校ラグビー 選手権大会 決算号 (ラグビーマガジン2021年02月号増刊) 

 

関連リンク 

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ベスト15 … 第57回大学選手権の個人的な大会ベスト15

概要

「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」は、天理大学の初優勝、早稲田大学が準優勝となった。ベスト4には明治大学帝京大学が進出。この大会の出場メンバーの中で印象に残った15人を独断で選出した。

天理大学が点差を広げながら優勝したこともあり、天理大学11人、早稲田大学3人、明治大学1人という結果となった。

ラグビーマガジン 2021年02月号 [2大別冊付録:(1)トップリーグ写真名鑑 (2)全国高校大会花園ガイド] 

 

ベスト15

FW フォワード

1 PR 谷口祐一郎 / 天理大4年

天理大のスクラムを支え、また運動量も豊富。ボールが動いたときに目だけでボールを追う選手は多いが、目で追わずにすぐにボールに体を向けているので動き出しが早い。

2 HO 佐藤康 / 天理大3年

やや苦戦すると予想されたラインアウトだったが安定したスローイン、また明治大戦ではゴール前のラックから巧みに押し込んだ。決勝では、相手ゴール前ラックからCTB市川敬太に速いパスを通して先制トライにつなげた。日本大の藤村琉士の活躍もあったが、もう1試合見たかった。

3 PR 小鍛冶悠太 / 天理大4年

スクラムやサイドアタックなど体を張ったプレイでチームに大きく貢献した。一歩食い込んでゲインやFWでのサポートのプレイなどが効いていた。決勝で巧みなパスダミーでトライをアシストした早稲田4年の小林賢太や帝京大4年の細木康太郎の活躍も光った。

4 LO アシペリ・モアラ / 天理大3年

大きな体でパワーもあるが、ボディバランスがよくハンドリングもよい。相手ゴール前ではタイミングのよい飛び出しでトライを奪った。学生のラインアウトのレベルを引き上げた明治大4年の片倉康瑛もいい動きを見せた。

5 LO 中鹿駿 / 天理大4年

タックルにサポートに体を張った。アタックではゲインをしつつ決して無理をしないで確実にボールをつなぐようすは地味ではあるが、テンポのよい攻撃につなげた。明治大4年の髙橋広大も準決勝ではトライにつながる大きなゲインはトライに結びついた。

6 FL 相良昌彦 / 早稲田2年

おとなしく見えた今年の早稲田にあって、貴重な闘争心を表に出すプレイヤー。同ポジションの坪郷智輝の活躍でさらに覚醒したか。ほかには、天理大3年の服部航大はどこにでも顔を出して効果的なサポートをした。

7 FL 松岡大和 / 天理大4年

タックルのほか献身的なプレイでチームに貢献、さらには声でチームを鼓舞し引っ張り続けた。主将としてレフリーとしっかりコミュニケーションをとり、天理大学の反則の少なさにもつなげている。流経大4年の坂本侑翼は献身的な動きとタックルで貢献した。

8 No8 山村勝悟 / 天理大2年

このポジションのベスト15は明治大4年の箸本龍雅のものと思っていたが、決勝まで体を張り続けて随所に突破を見せた山村勝悟を選出。また、関西の交流戦から大学選手権決勝まで10戦連続スタメンはたいしたもの。

第100回 全国高校ラグビー 選手権大会 決算号 (ラグビーマガジン2021年02月号増刊) 

 

BK バックス

9 SH 藤原忍 / 天理大4年

速いフラットなパスでトライを演出、決勝の前半31分のパスは目一杯の速いパスを通した。また、常に隙をうかがう姿勢があり、準決勝では相手が準備できていないタイミングで速攻を仕掛けてトライにつなげたり、決勝でもスクラムのこぼれ球をすかさず押さえた。

10 SO 松永拓朗 / 天理大4年

持ち前のキックの距離と精度で、天理大学のゲームメイクの中心を担った。プレイスキッカーとしても、関西リーグに引き続き安定したキックを見せた。

11 WTB 古賀由教 / 早稲田4年

常に笑顔でチームのムードをつくってきただけでなく、BKでは唯一の4年生となる時間帯が多く周囲を引っ張った。プレイでも快速で抜き去ってのトライを決めた。天理大1年のマナセ・ハビリはWTBながら強いプレイで体も張れる。

12 CTB 市川敬太 / 天理大4年

決勝での4トライは見事、ゴール前での速いパスをしっかりつかんで確実にチャンスをトライに結びつけた。また、タックルでも貢献した。大学選手権から復帰した帝京大4年のニコラス・マクカランは、準決勝では力強いランでディフェンスを破るトライを決めた。

13 CTB シオサイア・フィフィタ / 天理大4年

年々進化するシオサイア・フィフィタ、今年は最後まで自分で行かずに周りを生かし、ロングパスやグラウンダーのキックも効果的だった。そのほか、早稲田3年の長田智希は再三ゲインを見せてトライへの起点となり、帝京大4年の尾崎泰雅も強さを見せた。

14 WTB 石川貴大 / 明治大4年

準決勝では同ポジションの天理大4年土橋源之助と2トライずつだったが、大股で走り切るランは力強さを感じさせた。早稲田2年の槇瑛人は大外で待って確実にトライを決めるなど役割を果たした。

15 FB 河瀬諒介 / 早稲田3年

河瀬諒介が準決勝、決勝で見せたトライは、相手の人数が余っていながら抜き去ったもの。ボールを持つと期待感がわく選手。ほかには、流経大3年の河野竣太も見せ場をつくった。筑波大戦でのトライのほか、天理大戦では自陣ゴール前からキック、自信でチェイス、さらにキックして一人でトライまで持っていった。さらには、帝京大学4年の奥村翔も好選手。

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第57回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会(2020-2021)

概要

第57回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会 は、2020年11月21日(土)に1回戦が始まり、2021年1月11日(月・祝)に国立競技場での決勝戦で幕を閉じた。

決勝は「天理大vs早稲田」

勝戦は、大学選手権初優勝を目指す天理大学と連覇を狙う早稲田大学の対戦となった。大学選手権での天理大学早稲田大学の対戦は5回目、これまで天理大学の1勝、早稲田大学の3勝となっている。最近では、2015に14-7で天理大学が勝利、2019には早稲田大学が52-14で勝利している。

決勝までの道のり

天理大学関西大学リーグ5連覇を達成。大学選手権準々決勝では流通経済大学と対戦、試合開始から圧力をかけて前半だけで6トライをあげて38-0とリード、以降も勢いは止まらず78-17で圧勝した。準決勝の相手は関東大学対抗戦1位の明治大学、前半3分にWTB土橋源之助が先制トライを奪うなど前半を19-5で折り返すと、後半開始直後の2トライで突き放し41-15で勝利、2年ぶり3回目の決勝進出を決めた。

一方の早稲田大学は、関東大学対抗戦では明治大学に敗れて2位。大学選手権初戦となる準々決勝では慶應義塾大学と対戦、グラウンドを幅いっぱいに使ったワイドな攻撃でWTB槇瑛人らが躍動し29-14と快勝した。準決勝では帝京大学に対し、前半にモールで2つのトライを奪うなど最大15点あったリードを守りきって33-27と勝利、2年連続33回目の決勝へと駒をすすめた。

決勝

試合のほうは、天理大学が前半3分にCTB市川敬太、10分にLOアシペリ・モアラが連続トライ、これまでの試合同様に早い時間帯に先制し試合を優位にすすめる。対する早稲田大学は、20分にCTB長田智希のゲインからPR小林賢太が押し込んでトライを返す。このあと、天理大学がCTB市川敬太が2つのトライを加えて、29-7とリードして前半を終える。

後半も先に点を取ったのは天理大学、6分に相手ボールのスクラムをプッシュするとこぼれ球をSH藤原忍がトライ。これ以上離されたくない早稲田大学は12分にBK展開するとFB河瀬諒介がディフェンスをかいくぐってインゴールに飛び込んだ。このあともCTBシオサイア・フィフィタを突破口に展開した天理大学がトライを重ねて55-28で勝利、初の大学選手権優勝を遂げた。 

天理大学は3度目の決勝にして初優勝、関西大学リーグのチームとしては第21回(1984年度)同志社大学以来36年ぶりの優勝奪還であった。また、決勝戦での55得点および8トライは過去最高、全3試合で最も点差が少ない試合は26点であり歴代2番目に点差をあけての栄冠となった。

トピックス

新型コロナ対策のため、各チームともほとんど実戦経験を積むことができないままリーグ戦に突入した。関西大学リーグではクラスターが発生するなど複数の大学でリーグ戦を始められる状態になかったが、例年より1〜2ヶ月遅れて2グループに分けてのリーグ戦にこぎつけた。各グループの同順位同士による順位決定戦が行われたが、チームによっては4週連続の試合となるなどタイトなものであった。

また、新型コロナの影響により、関東大学対抗戦関東大学リーグ戦で各1試合、関西大学リーグは順位決定戦1試合が出場辞退による試合中止となった。さらに、大学選手権では「同志社大学vs帝京大学」が同志社大学の出場辞退により試合は行われなかった。

 

ラグビーマガジン 2021年 08 月号 [雑誌] 

 

出場校

関東大学対抗戦関東大学リーグ戦関西大学リーグの各3枠に加え、前年決勝進出チームの所属リーグにプラス1枠が与えられる。前年は早稲田大学明治大学の決勝となったため、関東大学対抗戦が5枠となった。(cは主将)

関東大学対抗戦
1位明治大学/12年連続49回目(c箸本龍雅)
2位早稲田大学/37年連続54回目(c丸尾崇真)
3位慶應義塾大学/2年ぶり37回目(c相部開哉)
4位帝京大学/22年連続28回目(c松本健留)
5位筑波大学/3年連続23回目(c岡崎航大)

関東大学リーグ戦
1位東海大学/16年連続18回目(c吉田大亮)
2位流通経済大学/13年連続21回目(c坂本侑翼)
3位日本大学/2年連続19回目(c藤村琉士)

関西大学リーグ
1位天理大学/7年連続29回目(c松岡大和)
2位同志社大学/2年連続52回目(c中尾泰星)
3位京都産業大学/8年連続34回目(c田中利輝)

東北・北海道代表
八戸学院大学/2年連続3回目(c仲澤巽)

東海・北陸・中国・四国代表
朝日大学/9年連続9回目(c宮田賢斗)

九州学生リーグ
福岡工業大学/2年ぶり27回目(c香山海渡)

 

第100回 全国高校ラグビー 選手権大会 決算号 (ラグビーマガジン2021年02月号増刊) 

 

トーナメント

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第57回 大学選手権

 

試合結果

1回戦 11/21(土)

福岡県営春日公園球技場

福岡工業大学43-21八戸学院大学(前半12-11)詳細

2回戦 11/29(日)

パロマ瑞穂ラグビー場

朝日大学24-28福岡工業大学(前半19-7)詳細

3回戦 12/13(日)

秩父宮ラグビー場

 日本大学108-0福岡工業大学(前半61-0)詳細
流通経済大学19-19筑波大学(前半12-14)詳細
*引き分け抽選の結果、流通経済大学が準々決勝へ

東大阪市花園ラグビー場

慶應義塾大学47-14京都産業大学(前半28-7)詳細
同志社大学 中止 帝京大学 同志社棄権、帝京不戦勝

準々決勝 12/19(土)

秩父宮ラグビー場

慶應義塾大学14-29早稲田大学(前半7-24)詳細
明治大学34-7日本大学(前半12-0)詳細

東大阪市花園ラグビー場

 東海大学8-14帝京大学(前半3-7)詳細
流通経済大学17-78天理大学(前半0-38)詳細

準決勝1/2(土)

秩父宮ラグビー場

帝京大学27-33早稲田大学(前半13-21)詳細
明治大学15-41天理大学(前半5-19)詳細

決勝 1/11(月・祝)

国立競技場

天理大学55-28早稲田大学(前半29-7)詳細

 

ラグビートップリーグ カラー名鑑2021【ポケット判】 (B.B.MOOK1514) 

 

関連リンク

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天理大学 vs 早稲田大学 / 結果と注目ポイント … 第57回 大学選手権決勝

概要

「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の決勝は、1/11(月・祝)に秩父宮ラグビー場で行われた。

昨年も国立競技場で行われた決勝戦明治大学vs早稲田大学」は57,345人の観衆を集めたが、非常事態宣言を受けて今季は販売済みの17000枚が有効とされた。実際に入場したのは11,411人だった。

 

トーナメント

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大学選手権 2020-2021

ラグビーマガジン 2021年02月号 [2大別冊付録:(1)トップリーグ写真名鑑 (2)全国高校大会花園ガイド] 

 

決勝:天理大学55-28早稲田大学

第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の決勝は、天理大学早稲田大学との対戦となった。昨年度の準決勝でも顔を合わせており、そのときは早稲田大学が52-14で勝利している。

ここまでの天理大学は、準々決勝では流通経済大学に78-17、準決勝では明治大学に41-15と快勝している。一方の早稲田大学は、準々決勝で慶應義塾大学に29-14、帝京大学には33-27と勝利し、決勝で初めて関東大学対抗戦以外のチームと対戦することになった。

メンバーのほうは、天理大学はFB江本洸志が復帰、早稲田大学はCTB平井亮佑が復帰し、それぞれスタメンで出場。

前半

試合のほうは、前半3分、天理大学が相手ゴール前でボールを奪うと中央から右へ展開、CTB市川敬太が先制トライ。続く10分、相手ゴールまで10mというところでモールからラックへ、LOアシペリ・モアラが抜け出してインゴールに飛び込んだ。これまでの戦いと同様に開始10分までにトライを取ってみせた。

対する早稲田大学は、20分にCTB長田智希が抜け出してゴール目の前に迫ると、PR小林賢太が押し込んでトライを返す。このあと、さらに攻め込む天理大学がペナルティを得るとPGを選択、17-7と10点差となる。

攻撃の手を緩めない天理大学は、ラインアウトモールから前進、ゴール直前のラックからSH藤原忍の速いパスを受けたCTB市川敬太がトライ。さらに33分、ラインアウト最前列でボールをキャッチすると中央より展開してからモールを形成、ペナルティでゴール前5mのマイボールスクラムからCTBシオサイア・フィフィタ、CTB市川敬太がこの日3つめのトライ。天理大学が29-7とリードして前半を終える。

後半

後半も最初のトライは天理大学、6分に相手陣5mでの相手ボールのスクラムを押し込んでこぼれたボールをSH藤原忍がトライを決めた。 これ以上離されたくない早稲田大学は、12分にCTB長田智希が大きくゲインしたあと展開、FB河瀬諒介が相手ディフェンスをかいくぐり右隅にトライ、22点差に戻す。

そして注目された次の得点はやはり天理大学、18分にSH藤原忍が大きくゲインすると、またもやCTBシオサイア・フィフィタからCTB市川敬太に渡りインゴールへ、市川敬太は4つめのトライ。24分にはCTBシオサイア・フィフィタのゲインから、最後はLOアシペリ・モアラがトライを奪う。

時間が徐々に少ななってきた後半27分、早稲田大学ハーフウェイライン付近でパスを受けたPR小林賢太が抜け出すと、巧みにパスダミーをはさんでSH河村謙尚へパス、そのまま飛び込んでトライ、ゴールも決まって29点差に詰める。

しかし、33分に天理大学はFB江本洸志がダメ押しのトライ、早稲田大学が40分にCTB伊藤大祐が切れ込んでのトライを決めるも、天理大学が55-28で勝利して初の大学日本一に輝いた。

第100回 全国高校ラグビー 選手権大会 決算号 (ラグビーマガジン2021年02月号増刊) 

 

注目ポイント

序盤から天理大学の出足のよいディフェンスが目立ち、早稲田大学が受けにまわることとなった。その流れの中で、天理大学はチャンスを迎えるとトライまたはPGで得点を取り切り、これまでの勝ちパターンとなった。

受けにまわった早稲田大学は、精神的にもエリア的にも圧力を受けラインアウトでノットストレート、スクラムでのペナルティや大きく押し込まれてしまうこともあった。今季はゲームごとのプランを実行しながら勝ちを積み重ねてきた早稲田大学だったが、初めての他リーグのチームとの対戦でゲーム中に修正しきることができなかった。

天理大学のほうは、今季初対戦の関東大学リーグ戦の流通経済大学関東大学対抗戦明治大学との対戦の中で、ゲーム中の修正をせざるを得ない状況で戦い結果を出してきた成果が出たという面もある。

また、FB河瀬諒介をめがけてのキックも効果的だった。飛び出してこられると止めづらい相手に最初からボールをもたせることで守りやすくなったか。そして何より効いたのは、CTBシオサイア・フィフィタの突破役となりパスを回したこと、CTB市川敬太、LOアシペリ・モアラ、FB江本洸志のトライを演出した。

最後に

天理大学の優勝は関西では1984年の同志社大学以来であり、また天理大学はエリート選手が少ないチームでもある。そのため、関西のチームに自信や勇気を与えたほか、無名の選手たちにも希望を与えるものとなったのではないだろうか。

また、帝京大学の連覇のあと、明治大学早稲田大学天理大学と4年連続で違うチームが優勝することとなった。これは同志社大学の3連覇のあと以来のこと。連覇のあとには群雄割拠の時代が来るのかもしれない。

同志社連覇のあとは大東文化大学が台頭、その後の10年で3度の優勝と1度の準優勝を遂げた。ここから天理大学の時代がやってくるか。

ラグビートップリーグ カラー名鑑2021【ポケット判】 (B.B.MOOK1514) 

 

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【直前チェック】天理大 vs 早稲田 … 大学選手権 2020-2021 決勝

概要

「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の決勝は、1/11(月・祝)に東京・国立競技場で行われる。

関西大学ラグビーAリーグ1位の天理大学は、2年ぶり3回目の決勝進出、勝てば初優勝となり関西のチームの優勝は1984年度の同志社大学以来36年ぶり5回目となる。

 

一方、関東大学対抗戦2位の早稲田大学のほうは、2年連続33回目の決勝戦となり、勝てば2年連続17回目、関東大学対抗戦のチームが14年連続の優勝となる。

 

トーナメント

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大学選手権 2020-2021

ラグビーマガジン 2021年02月号 [2大別冊付録:(1)トップリーグ写真名鑑 (2)全国高校大会花園ガイド] 

 

1/11(月・祝) 東京・国立競技場

天理大学vs早稲田大学 13:15〜

直近の対戦は昨年の大学選手権準決勝、早稲田大学が快勝している。ただ、今季の天理大学関東大学対抗戦1位の明治大学に快勝するなど充実しており、相手の強みに対応してくる早稲田大学と拮抗した戦いが予想される。

ここまでの天理大学

ベスト4を目標にして決勝へすすんだ一昨年とは違い、今季は最初から日本一しか考えていない。1年生から主力SH藤原忍、SO松永拓朗、CTBシオサイア・フィフィタが4年生となり勝負の年を迎えたためだ。

関西大学ラグビーAリーグでは、関西学院大学に前半苦戦しながらの勝利、続く順位決定戦の同志社大学戦では前半を完封するなど不安を払拭して5連覇を達成。大学選手権では、準々決勝で流通経済大学に78-17と圧勝すると、準決勝では明治大学に対し出足のよいディフェンスのほかセットプレイでも対応し41-15と快勝した。

昨年との違いは、CTBシオサイア・フィフィタが突破するだけでなく、周りを生かすパスをつなぐところにあり的が絞りづらい。また、HO佐藤康、LO中鹿駿、No8山村勝悟らのFW陣も力をつけている。

次のグラフは今季の関学大同志社、明治大と対戦したときの時間帯別トライ数となっている(大差の試合は参考にしづらいため3試合のみ)。3試合全てで開始10分以内にトライを奪っており、20分まで失トライはない。前後半とも入りに集中した反動か、前後半の10-20分頃のトライはやや少なくなっている。

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天理大学 時間帯別トライ数
ここまでの早稲田大学

個人の能力に長けた昨年の主力が抜けた早稲田大学だが、主将No8丸尾崇真を中心にチーム一丸となって連覇を狙う。

関東大学対抗戦では明治大学に敗れて2位となるも、試合ごとの攻撃プランを実行しながら勝利に結びつけてきた。大学選手権の慶應義塾大学戦や帝京大学戦では、FWで対抗する一方で、グラウンドを幅いっぱい使って大外まで展開することでトライを奪った。

今季のハーフ団はSH小西泰聖とSO吉村紘、そこから堅実につなぎ大外で待つWTB古賀由教や後ろから飛び出してくるFB河瀬諒介ら快足BKが駆け抜ける。大学選手権2試合では、WTBとFBのバックスリーで10トライのうち6トライをあげた。

時間帯別トライ数のグラフは、今季の関東大学対抗戦の筑波大、帝京大、慶応大、明治大、大学選手権での慶応大、帝京大との対戦のもの。前半10分までにトライを許していないが、以降は失トライが増える傾向にあることがわかる。また、後半はトライ10に対して失トライ9とほぼ同数となっている。

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早稲田大学 時間帯別トライ数
注目のポイント

ともに前半からリードして勝利につなげていくチームだけに、前半の入りから注目される。FWやディフェンスでどちらが先に圧力をかけてペースをつかめるか。どちらが勝つにしても前半を制したほうが、頂点により近づくことになりそうだ。

もう一つはモール、ともに攻撃のオプションとしては欠かせない。早稲田大学帝京大学戦ではFW一体となってモールを押しすすめたが、天理大学はいかに対応していくか。

また、早稲田大学の大学選手権での試合は慶應義塾大学帝京大学といずれも関東大学対抗戦のチーム、決勝戦が今季初めての他リーグのチームとの公式戦となる。例年ならそれほどの影響はないかもしれないが、実戦を積めなかった今季の影響はいかほどか。

メンバー表チェック

天理大学は、主将FL松岡大和、SH藤原忍、SO松永拓朗、CTBシオサイア・フィフィタらを中心に、準決勝で怪我で交替したWTBマナセ・ハビリもスタメンに入った。また、準決勝で一旦スタメンに名を連ねながら直前に外れたFB江本洸志が復帰。リザーブにはHO谷口永遠が復帰したほか、豊田祐樹(1年,天理出身)が今季初めてメンバー入りを果たした。

早稲田大学のほうは、不動のメンバーである主将No8丸尾崇真、SH小西泰聖、SO吉村紘、WTB古賀由教、FB河瀬諒介らに加えてCTB平井亮佑が戻った。タックルなどプレイ面での期待はもちろんだが、平井亮佑がいないここ3戦はBKの4年生はWTB古賀由教ひとりだったことを考えると心強い。ここ2戦で先発したルーキー伊藤大祐はリザーブに入った。

過去の対戦成績

過去の大学選手権での対戦は、天理大学が1勝、早稲田大学が3勝となっている。2012年度はプール戦で対戦し、早稲田が準決勝へすすんだ。2015年度もプール戦での対戦、ただプール戦を勝ち抜けたのは東海大学だった。2019年度は準決勝での対戦。

1966年度 天理大学  6-33早稲田大学
2012年度 天理大学14-46早稲田大学
2015年度 天理大学14-  7早稲田大学
2019年度 天理大学14-52早稲田大学

FW平均体重(参考:準決勝時)

天理大 102.4kg
早稲田 101.4kg

FW高身長選手(参考:準決勝時)

天理大 LOアシペリ・モアラ185cm LO中鹿駿181cm
早稲田 LO下川甲嗣187cm FL村田陣悟185cm No8丸尾崇真183cm LO大崎哲徳182cm

第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会プログラム 

 

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京都成章vs桐蔭学園 / 第100回 全国高校ラグビー 決勝 … 勝ち上がり、対戦データなど

概要

「第100回 全国高校ラグビー」の決勝は、1/9(土)に花園ラグビー場で行われる。決勝戦の対戦データや各校の勝ち上がりや実績などをチェックする。

決勝に進出したのは、京都成章(初)と桐蔭学園(3年連続8回目)の2校。京都成章が勝てば初優勝、京都府勢としては15年ぶり16回目の優勝。桐蔭学園が勝てば2年連続3回目、神奈川県勢としては2年連続6回目の優勝となる。

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1/9(土)

京都成章vs桐蔭学園 14:05 K.O.

いずれもディフェンスに定評のあるチーム同士の対戦となる。互いに準決勝までの5試合を消化して奪われたトライはわずかに4つのみ。ただ、前後半の戦いぶりにそれぞれに特徴が見られる。

京都成章のディフェンスが堅いのは今年に限らず、一昨年は黒沢尻工、流経大柏、昨年は仙台育英、佐賀工と敗れた試合を除く全ての試合を無失点で勝利している。隙のない試合でペースをつかんできた。

桐蔭学園のほうは、前半は無理をせず戦況を分析して後半に突き放す展開が多い。準決勝の大阪朝鮮には12-12、3年前の対戦では京都成章に14-14、昨年の決勝では御所実に3-14でありながら、後半は勝負を決める攻撃力を発揮し勝利してきた。

ディフェンディングチャンピオン桐蔭学園は今年も強さが際立っており、京都成章としては前半にトライを重ねたりセットプレイで上回るなど桐蔭学園を慌てさせたい。

また、今大会は記念大会であるため出場校が多く、早い段階で強豪校と対戦することとなり、両校とも消耗は大きいはずだ。今大会は準決勝と決勝は中3日となるものの、コンディションも試合を大きく左右する。

京都成章の勝ち上がり

京都成章129-  0米子工(前半63-0)
京都成章  33-  0早稲田実(前半14-0)
京都成章  28-  7尾道(前半7-0)
京都成章  14-  3中部大春日丘(前半14-0)
京都成章  24-21東福岡(前半12-7)

準々決勝までの4試合では、奪われたトライはわずかに1つ、前半は無失点と試合を優位にすすめてきた。準決勝の東福岡戦では、3つのトライを奪われるも一度もリードを許すことなく勝利した。

桐蔭学園の勝ち上がり

桐蔭学園  36-  7茗渓学園(前半14-0)
桐蔭学園  37-  0日本航空石川(前半6-0)
桐蔭学園  53-  3仙台育英(前半19-3)
桐蔭学園  50-  7御所実(前半26-7)
桐蔭学園  40-12大阪朝鮮(前半12-12)

これまでの5試合を通じて、概ね前半は接戦となり後半突き放す展開となった。昨年の決勝でも、御所実に3-14とリードを奪われながら後半逆転、後半に無類の強さを見せた。

過去の対戦データ

第97回に準々決勝で顔を合わせており、前半14-14の同点から後半は桐蔭学園が突き放して勝利した。

第97回(2017年度) 京都成章14-36桐蔭学園(前半14-14)

京都成章のデータ

出場:7年連続13回目
勝敗:27勝11敗1分(.692)
最高:ベスト4(第88,89,94回)

桐蔭学園のデータ

出場:6年連続19回目
勝敗:52勝16敗2分(.743)
最高:優勝(第90,99回)

 

高校ラグビー 花園の記憶 

 

 

 

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