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第57回 大学選手権(2020-2021) … 出場校の戦力チェック

概要

「第57回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会(通称:大学選手権)」は、2020年11月21日(土)から1回戦が始まっており、12月13日(日)より関東や関西のチームを含めた3回戦が実施される。また、決勝は1月11日(月・祝)に国立競技場で行われることが決まっている。

出場校の内訳は、関東大学対抗戦、関東大学リーグ戦、関西大学ラグビーから各3チーム、九州学生リーグ、北海道東北代表、東海北陸中国四国代表が各1チーム、さらに昨年の優勝、準優勝のそれぞれのチームが所属するリーグから増枠となる。昨年は関東大学対抗戦同士の決勝となったため、関東大学対抗戦は2枠増えて5チームが出場できる。

ここでは、このほど全試合を終えて順位が確定した関東と関西からの出場する11チームについて、紹介したい。

昨年は早明戦で敗れた早稲田が大学選手権決勝の舞台で雪辱を果たし、45-35で16回目の学生日本一に輝いた。

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トーナメント表

組み合わせは次の通りだが、同志社が辞退し同リーグからの繰り上げ出場はないことが決定しているため、3回戦の「同志社vs帝京大」は帝京大の不戦勝となる。

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大学選手権2020-2021 トーナメント

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出場校

関東大学対抗戦

関東大学対抗戦からは5チームが出場する。2007年以降13年連続で優勝は関東大学対抗戦のチームとなっている。過去に優勝経験のあるチームは、早稲田、明治大、帝京大、慶応大、日体大の5チーム。

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明治大学(11年連続49回目)

対抗戦では、慶応大に敗れたものの早明戦に快勝し優勝を決めた。実戦不足のシーズンにあって、相手に合わせすぎずに明治らしいラグビーを軸に戦った。2年ぶり14度目の頂点を目指す。

今季は期待の大きかったSO山沢京平をけがで欠くが、突破力のある主将No8箸本龍雅、ラインアウトなどでLO片倉康瑛、急遽SOに入っても安定感を見せた森勇登ら4年生が引っ張る。その他、キックに定評のあるFB雲山弘貴や大型CTB児玉樹、キレのある走りのWTB石田吉平らにも注目。

早稲田大学(37年連続54回目)

FWもBKもハイレベルのメンバーが揃う早稲田は、相手の強みを消しながら勝ち続けたが、全勝で迎えた早明戦には敗れて2位となった。連覇を信じて巻き返しを狙う。

FWには経験豊富なPR小林賢太らの第一列と第二列、第三列には早明戦で激しい突破を見せたFL相良昌彦、そして主将No8丸尾崇真がチームをまとめる。BKにもWTB古賀由教、CTB長田智希、FB河瀬諒介ら経験豊富な注目の選手が並ぶ。

慶應義塾大学(2年ぶり37回目)

対抗戦を5勝2敗で終えた慶応大は、失トライは7戦で13と最少、低く速い「魂のタックル」などディフェンスで圧倒的な力を見せた。大学選手権での京産大とのFW対決は注目だ。

全チームで最多となる11トライのHO原田衛、倒れた相手に素早く絡むFL山本凱らFWを中心に一体感のあるプレイは見るべきものがある。BKはやや小柄だが走力のある選手が並び、体を張るCTB三木亮弥、1年生FB山田響のランも見ものだ。

帝京大学(22年連続28回目)

昨年に続いて4勝3敗の帝京大は、攻撃面では1試合平均9.9トライ65.6得点と圧倒した。後半の得点力を上げることができれば頂点も見えてくる。9連覇が途切れて3年、復活なるか。

HO江良颯、No8奥井章仁ら1年生の活躍もあり層に厚みを増し、強力なFW陣がモールを組むなど多くの得点を奪ってきた。BKも経験豊富なメンバーが揃い、突破力のあるCTB尾崎泰雅や主将不在時に存在感を示したFB奥村翔らの動きは楽しみだ。

筑波大学(3年連続23回目)

開幕戦で慶応大に勝利した筑波大は、4勝3敗で対抗戦を終えた。敗れはしたものの明治大戦のラインアウトでのサインプレイは見事、フィジカルで上回る相手に仕掛けで勝負する。

FWは上背はないが、FLには飛高昂空、中田都来らは素早い動きでタックルに入る。BKはSO山田雅也のキックやFB松永貫汰、WTB植村陽彦、WTB仁熊秀斗らのランには見応えがあり、主将岡﨑航大らCTBも動きはいい。

 

関東大学リーグ戦

3チームが出場する関東大学リーグ戦は、優勝したのは2006年が最後となっている。過去には、関東学院、法政大、大東大の3チームが優勝を経験している。 

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東海大学(16年連続18回目)

日本大との最終戦を出場辞退で不戦敗となったが、6勝1敗で3連覇を達成。要所に留学生が入り攻守にバランスが取れたチームとなっている。大学選手権は準優勝3回、初優勝を目指す。

主将No8吉田大亮が体を張ってFWを中心にチームをまとめ、BKでも4年生のCTB赤城凛やCTB杉浦拓実が体を張って支える。SO武藤ゆらぎ、WTB谷口宜顕の2人の1年生はのびのびとプレイできており、また、FB酒井亮治がときおり見せる飛び出しも効果的だ。

流通経済大学(13年連続21回目)

ダイナミックラグビーを掲げてどこからでもトライをとる流経大、リーグ戦は東海大に敗れたが4連続トライで26点差を追いつく場面もあった。大学選手権では、初のベスト4を狙う。

FL坂本侑翼を中心にFWはひたむきなプレイを見せ、BKはヴィリアメ・タカヤワやイノケ・ブルアの留学生が核となってボールをどんどんつないでいく。また、最多9トライのFB河野竣太はタイミングのいい飛び出しでトライを重ねる。

日本大学(2年連続19回目)

流経大に敗れて1敗で迎えた最終東海大戦は不戦勝。得点は伸びなかったが、ペナルティが少なく失点は抑えることができた。現キャノン監督の沢木敬介を擁した1997以来のベスト4に挑む。

HO藤村琉士が第2節に復帰するとFWは安定した。WTB水間夢翔はどこにでも顔を出しフル回転、8トライとリーグ2位のトライをあげた。同じくWTBのナサニエル・トゥポウも6トライとトライゲッターとしての仕事を果たした。

 

関西大学ラグビー

関西大学ラグビーのチームの優勝は1980,1982-1984の4回、いずれも同志社が優勝している。

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天理大学(7年連続29回目)

関学大戦でやや受けにまわったが、全試合を通じて危なげなく勝利して5連覇を遂げた。大学選手権では2度の準優勝、4年生に主力が多い今季は優勝を狙う勝負の年となる。

FW第一列は安定しており、LOアシペリ・モアラやLO中鹿駿、No8山村勝悟らは突破力がある。不動のFB江本洸志にけががあったが、SO松永拓朗がFBに、SOには藤田大輝が入り影響を感じさせなかった。1年次から主力のSH藤原忍、SO松永拓朗、CTBシオサイア・フィフィタは4年生となりプレイに磨きがかかる。

同志社大学(2年連続52回目)

今季はひたむきにタックルを続けるFWがチーム支え、4戦で19トライのうち17本をBKで奪ってきた。大学選手権では一味違う同志社として挑むはずだったが、出場辞退で不戦敗となる。

FWは主将FL中尾泰星を中心に、80分間集中し続けようと一体になって取り組んできた。BKは1年生の岡野喬吾がいい動きを見せると、WTB山口楓斗、WTB和田悠一郎が相次いで復帰しチャンスをものにした。

突然のシーズン終了、中止となった定期戦を再検討するなど年度内に最後の勇姿を見せる場ができることを願う。

京都産業大学 (8年連続34回目)

京産大といえばFW、今季もそのままのカラーで戦ってきた。同志社にはやや受けにまわり敗れたが、順位決定戦では関学大にFW勝負を挑み勝利、大学選手権でもFWで勝負する。

FWはPR平野叶翔ら鍛えられた第一列と主将LO田中利輝、LOアサエリ・ラウシ、FL城間賢、No8ヴェア・タモエフォラウらが二列目三列目を担う。BKではSH廣田瞬、SO西仲隼のハーフ団の動きがいい。さらに、トライゲッターWTB堀田礼恩が復帰できると大きい。

ラグビーマガジン 2021年 01 月号 [別冊付録:ラグビーカレンダー2021] 

 

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