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2020 関東大学対抗戦 第4節 <結果と注目ポイント> … 早稲田vs帝京大 明治大vs慶応大など

概要

関東大学対抗戦の第4節は、11/1(日)に全4試合が行われた。全勝対決となった帝京大vs早稲田早稲田が制し、昨年1位の明治大が昨年6位の慶応大に敗れるなど激戦が繰り広げられた。第5節は、11/7(土)に2試合、11/8(日)に2試合が行われる。

第4節の結果、全勝は早稲田のみとなり、ボーナスポイントを含めた勝点は次の通りとなった。

20 早稲田
16 明治大帝京大
14 慶応大
  9 筑波大
  5 日体大
  2 青学大
  0 立教大

*ボーナスポイントは全試合を消化した場合に加えられるもので、勝敗関係なく4トライ以上に1点、7点差以内の負けに1点となっている。

関東大学対抗戦 対戦表

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11/1(日)

帝京大(16) 29-45 早稲田(20)

先制は早稲田、前半9分に相手ゴールまでのスクラムからNo8丸尾崇真が持ち出し、CTB平井亮佑にまわしてトライ。さらに5分後、早稲田はCTB長田智希が突破し、最後はFL村田陣悟が押さえた。対する帝京大は、前半18分にゴール前に攻め込むとFWからCTB押川敦治へとつないでトライ、25分29分にスクラムなどFWで押し込み逆転。しかし、早稲田はひるむことなくラインアウトモールからのトライで追いつき、19-19で前半を終える。

後半も先に点をとったのは早稲田、13分17分とBKでうまくつなぎCTB長田智希、WTB槇瑛人がそれぞれトライを決めて33-19とリード。帝京大はモールからまわしてWTB尾崎泰雅がトライを返すも、すぐに早稲田ラインアウトモールからトライを奪う。さらに、早稲田はWTB古賀由教がラン際を走り抜けてトライを追加、45-29で見事な勝利。

注目ポイント

帝京大は、秩父宮では2018年11月18日の明治大に15-23で敗れて以来6連敗。2018年11月4日に早稲田に45-28で勝ったのが最後となっている。2年前もスタメンだったのはWTB尾崎泰雅とWTB木村朋也の2人だけ、舞台が帝京大のリズムを狂わせた部分はあったのかもしれない。

もしかしたら…

少しでも経験の多い選手を優先してメンバー選考するという選択肢はあった。しかし、岩出監督は負けることもことも想定内で、負けたら負けたで順調に来ていたところに頭を冷やす機会になると考えていた可能性はある。

一方の早稲田は、大学からラグビーを始めたクレイジータックラーFL坪郷智輝が初めてメンバーに入り先発出場となった。MOMとなる活躍を見せたが、その要因は2つのトライではなく、ひたむきにタックルを繰り返す姿がメンバーを勇気づけたことだろう。結果、帝京大のパワーでトライを奪われ逆転されても、早稲田が一丸となり気持ちを切らさなかった。

もしかしたら…

これまでの戦いぶりから早稲田の首脳陣は帝京大に圧倒される危機感を持っていた、しかし、ここでやられてはシーズン中に立ち直るのは容易ではないと見て、チーム全体にひたむきさを伝染させるFL坪郷智輝を抜擢したのではないだろうか。

 

青学大(2) 26-32 日体大(5)

互いに勝点のない両者の戦いは、日体大がPGで先制すると前半14分にWTBクリスチャン・ラウイのトライで8-0とリード。このあと1トライずつ加え、攻め込む日体大だが青学大のディフェンス阻まれ、逆に前半37分と41分にトライを許して13-19と6点のビハインドで前半終了。

後半は、青学大がトライを決めてリードを13点に広げる。しかし、ここで137kgのミキロニ・リサラを投入するなどフィジカルで勝る日体大が力を発揮しだすと、11分にWTBクリスチャン・ラウイ、30分にはNo8ハラトア・ヴァイレアのトライで25-26と1点差。そして、日体大は最後のワンプレーでWTBクリスチャン・ラウイがこの日3つ目のトライで逆転、32-26で今季初勝利を飾った。

注目ポイント

SO桑田宗一郎が復帰した青学大は、自陣での時間帯が長かったものの、チャンスを逃さずトライを奪い前半をリードして終えた。試合終盤には工夫をしながらフィジカルの差を補おうと、DGやPGなどを試みるも結果につながらず。しかし、残る試合で工夫が実を結ぶことを期待したい。 

日体大は、なかなか攻めきれずリードを許して前半を終えた。昨年同様No8にハラトア・ヴァイレアを据えて2戦目になるが、この形で後半途中でミキロニ・リサラを投入するのが効果的か。やはり、WTBクリスチャン・ラウイとWTB沢村舜のスタメン復帰は心強い。

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立教大(0) 7-52 筑波大(9)

試合は前半7分、筑波大が相手ゴール前のモールからパスを受けたCTB一口隼人が切れ込んでのトライ、さらにHO肥田晃季が右隅にトライを加える。前半24分、立教大はLO守源が突破しそのままトライ。このあと筑波大はトライを加え、31-7とリードして折り返す。

後半7分、筑波大ラインアウトモールでトライ。しかし、ここから立教大は粘りを見せて筑波大のアタックを防いだが、攻めきることはできなかった。試合終了間際に筑波大が2トライを加えて、52-7で勝利となった。

注目ポイント

立教大は随所で粘りを見せたが、ミスなどでトライを取りきれなかった。失トライは、前半は7,15,28,34,40分、後半は7,40,46分と最初と最後の10分に偏りが見られる。前後半とも、入りの部分と疲れの出る終盤の戦い方が今後の課題となりそうだ。

筑波大は、後半に30分以上点が入らない時間帯もあったが、試合そのものは危なげなくすすめることができた。引き出しの多い多彩な攻めは見られなかったが、次節の早稲田戦に向けて温存している部分もあるだろう。

 

明治大(16) 12-13 慶応大(14)

先制は慶応大、前半5分にFB山田響がPGを決める。さらに攻め込む慶応大だったが、ロングパスを明治大SO斎藤誉哉がインターセプトして大きく蹴り込むと、FL福田陸人が足にかけてつなぎ最後はSO斎藤誉哉がトライを決める。このあと慶応大にチャンスもあったがミスなどで得点には至らず、3-7とリードを許し前半を終えた。

後半も動きのよい慶応大は、後半17分にラインアウトモールからHO原田衛が押さえて逆転。対する明治大は後半32分、自陣10mラインのスクラムからBKに展開、パスをつないで最後に外に余ったFB高比良隼輝がトライを決めて再び逆転する。そしてロスタイムに入った後半43分、ペナルティから慶応大FB山田響がPGを決めて、13-12と逆転して試合終了となった。

注目ポイント

12得点に終わった明治大は、2014年に帝京大に6-31で敗れて以来の最も少ない得点となった。それ以降で20得点に満たなかったのは、2016の15-42帝京大、2017の14-41帝京大の2回しかない。ミスがあっても気持ちが受けにまわらないようプレーしたい。

理性と感情…

前節の筑波大戦で課題が見えたはずの明治大だったが、SO山沢京平やFB雲山弘貴ら主力を欠く中でミスも目立ち不安が先立ったか。今年に限っては、完成度が高まらない前提でいかにトライを取っていくかを模索すべきだろう。例年の完成度を求めたり考えすぎたりするあまりに、がむしゃらさを失ってはいけない。

慶応大は、過去3年の関東大学対抗戦で勝ち負けに関わらず7点差以内の試合は10試合、明治大の3試合を大きく上回る。そういった意味では接戦慣れしていると言える。FB山田響はミスも多かったが、ラストプレーという痺れる場面でのPGを決めたのは素晴らしかった。

炎のタックル…

開幕の筑波大戦の敗戦で目が覚めて、不安もある中で目の前のことに全力で取り組むしかないと腹をくくったのか、刺さるタックルで見事に明治大を止めた。120年の伝統の「炎のタックル」健在といったところだろう。この炎がくすぶらない限り、高みを目指すことができる。

 

エルセーヌ  

 

関連リンク

関東大学対抗戦 チーム情報

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